INTERVIEW

INTERVIEW

金澤有希が振り返るアイドルとしての19年間&アイドルプロデューサーとしての願い「『頑張れば必ず報われる』という世界ではないけど、でも……」

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絶対にアイドルに向いてるから、この世界に戻ってきなさい

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素敵すぎるお話です。娘が大きな節目を迎えた日の翌朝に、そんなメッセージを送るお父さんと、そこに感謝するだけでなく、きっと大切なことを吸収した金澤さん。

  • 金澤

    そんなメッセージが朝の6時半に来てました(笑)。「お父さん、会社に行く前にこんな長文を打ったんだなぁ」って。でも本当に要所要所で、お父さんの言葉や家族に支えられた19年間だったなと思います。

ほかにもご家族に支えられたタイミングが?

  • 金澤

    例えば私、本当に田舎で育ったので、人が多いところにいるのがストレスに感じたり、誰かと競い合うってことが苦手だったことに気づいたり……上京してすぐに環境に慣れなくて。ホームシックどころか、「誰にも話しかけられたくない」「全部辞めたい」としか思わない時期があったんです。

    実際、それで研究生を辞めて地元に帰ったんですけど、地元に帰ってからも「家族すら話したくない」みたく、お部屋にこもってたことがあって。学校の単位は取らないといけないから、そのためだけにお外に出てたんですけど。そのときも家族だけは私を支えてくれました。

そんなことがあったんですね……。

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  • 金澤

    で、その当時、「人間、嫌だな」って思ってた私に、事務所から大量のダンボールが届いたんです。なんだろうって思って開けたら、中身は全部ファンレターで。一番上には当時のスタッフさんが書いた「絶対にアイドルに向いてるから、この世界に戻ってきなさい」って手紙も入っていて。

    あとは当時仲が良かったメンバーが、毎日「待ってるよ」「辞めるべき人じゃないよ」って電話をくれたり、その子に「ゆうきりんに『待ってるよ』って伝えて」と頼んでくれたりした私のファンの方もいました。

いろんな方が「金澤有希はアイドルに向いている」とエールを送ってくれたんですね。

  • 金澤

    ありがたかったです。人が嫌だと思って過ごすようになってたけど、やっぱり人に助けられて生きてるんだって、そこでやっと気づけて。徐々に「学業を終えたら、もう一度考えてみようかな」と思えるようになりました。

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とはいえ、ご家族は一度、そんな状態になって戻ってきた金澤さんを見ているわけじゃないですか。また奮い立ったとしても、止められたりしませんでした?

  • 金澤

    止められなかったですね。「アイドルをやりたい」という気持ちを否定されたことは一回もなかったです。それはきっと、部活も習い事も渋々やってたような私が、アイドルだけは本気でやってきたのをずっと見守ってくれたからだと思います。心配だったと思うけど、家族は常に全力で応援してくれてました。