R-1グランプリの常連で、若手ピン芸人の代表格と言っていい寺田寛明。これまでもアイドル好き、◯◯ファンを自称する芸人は数多くいたが、明らかにレベルの違うオタ活の濃さと幅広い知識で、【ガチ】であることが広く知られつつある彼。テレビの企画やwebのインタビュー等でその片鱗を垣間見せていたが、今回通ってる界隈の比較的近いオタク記者が、マニアックな部分までがっつり深掘り!
最新地下アイドルシーンのレポートであり、知らない方向けの入門編でもあり、1人の本気なオタクのドキュメントでもある超ディープな内容がここに!! 固有名詞に注釈をつけてるとキリがないので各自ググって頂ければと思います!
ちょっと変な曲をやってて欲しいんですよ。
お仕事もお忙しいと思うんですけど、今、アイドル現場に出られてるペースってどれくらいですか?
- 寺田
去年1年間の現場数が145現場だったんですけど、今年は明らかにそれより多いですね(笑)。
平均して余裕で3日に1回以上と(笑)。一番多く行かれてるのはどの辺なんでしょうか?
- 寺田
去年はデビアン(Devil ANTHEM)に一番行ってたんですよね。コロナ下でもめちゃくちゃライブ打ってたんで。今年はデビアンも行きつつ、クマリデパートとPANDAMICが多い感じですね。
その3組って、ざっくり言うと王道系と楽曲派の間くらいのポジションですよね。楽曲は尖ってるけど、アイドル的なド真ん中の可愛さもあるというか。
- 寺田
そうですね。何ていうか、ちょっと変な曲をやってて欲しいんですよ(笑)。どんなに見た目が良くても、曲が好きじゃないとハマれないんですよね。見に行こうって気になれなくて。やっぱクマリは曲が変なので。サクライ(ケンタ)さんの作る楽曲がもう……。
ポップだけど変態な。
- 寺田
そうそう。聞いたことのない音の楽器が鳴ってる感じ(笑)。音楽詳しくないんで自分でも基準は分からないんですけど……。あとPANDAMICは、アイドルネッサンスを見に行った対バンで最初に見たんですけど、ふぇのたすの『今夜が終わらない』とかvivid undressの『シーラカンスダンス』とか、すごい渋いカバーをやってて。絶対誰かの趣味だろうなっていう(笑)。もちろんパフォーマンスのクオリティーも高かったんですけど、そういう部分に反応するっていうのはありますね。
最近知って良かったグループってありますか?
- 寺田
HULLABALOO(フラバルー)めっちゃ良かったんですよね。曲がドストライクだし。あと底なしに元気というか。対バンで見た時にHULLABALOOだけ明らかに声量がデカくて。笑っちゃうくらい声がでかい(笑)。MCも最初は全員に同時に喋り出して、ワチャワチャで何言ってるか分からないみたいな(笑)。プロデューサーの人の前のグループとか知らないんですけど。
Hauptharmonie(ハウプトハルモニー)とかWEARを手がけていた人ですよね。WEARの曲は何曲か引き継いでいて。
- 寺田
めちゃくちゃ曲作れる人みたいですね。今年の初めくらいに1回見てて、先月か今月見たら曲が全部入れ替わってて! すごいバイタリティー。あとGTRA(ジトラ)。GTRA良かったですね〜。situasion(シチュアシオン)との対バンでデビューライブ見たんですけど、situasionって楽曲すごい攻めてるじゃないですか。それに近い方向性でめっちゃ好きでした。制作のスタッフで被ってる人もいるみたいで。
それでいて衣装は制服で、メンバーはめちゃめちゃアイドルっぽいという。
- 寺田
そうですね(笑)。でもあんなに曲尖られると、もうカッコイイとしか言えない。あと最近王道系の対バンもちょっと行きはじめてるんですけど。いっぱいいるじゃないですか、担当カラーがあって可愛い子を集めてる感じの。その中でも妙に曲刺さるなってグループがやっぱりあるんですよね。MyDearDarlin’とか、最近大規模フェスで初めて見たらすごい曲イイなって思って。あの系統のグループの中で突出して良い気がする。
楽曲派のオタクの人って、エクストロメ!!(東京、地方で不定期に行われている楽曲派中心のアイドルイベント)周辺の対バンだけ回してるような人も多いですけど、寺田さんはそうではないというか。
- 寺田
そうですね。エクストロメ!!もよく行きますけど、普通に大きめの対バンで見てるとそうじゃないグループにも興味出てくるじゃないですか。かすみ草とステラも良かったな〜。曲の幅がめちゃくちゃ広くてビックリしました。楽曲派も取り込めそうな曲がけっこうあって。