INTERVIEW

INTERVIEW

“学級新聞”を発行する かすみ草とステラの渡辺萌菜はなぜ目標を書き続けるのか?「みんなと同じ目線で、一緒に手を取り合って作る“もえなす”なんです」

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参加する人が私みたいに悔しい思いをしないように

では、ここからは等身大の渡辺さんについて知りたいです。「殻に隠した自分がいた」と言っていましたが、そもそも自分はどういう性格だと思います?

  • 渡辺

    根はすごく頑固だと思います。9個と5個ってすごく年の離れた姉がふたりいる末っ子なんですけど、大人なお姉ちゃんたちと一緒に過ごしてたから「私も大人でいたい」みたいな気持ちがすごく強い子どもで。たとえば姉妹でそれぞれ好きなものを選ぶときも、お姉ちゃんの真似をして「私はお姉ちゃんが選ばないやつでいいよ」みたいな。お母さんからもお姉ちゃんからも「心の中には意見があるのにそれを絶対に言わなかった」って言われます。

そういう意味での「頑固」ですね。その大人な立ち回りは学校でも?

  • 渡辺

    自分の意見はしまってた感じがします。学校って積極的な子もいれば内向的な子もいるけど、私は当たり障りなくみんなとお話ししてたから、誰かがひとりでいたら、先生から「萌菜ちゃん、輪に入れてあげて」とか頼まれるタイプで。

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今も渡辺さんはかすテラのまとめ役を担っていると思うんですが、ある意味、小さい頃からそのポジションだったんですね。

  • 渡辺

    でも、みんなを引っ張るリーダーみたいなものになるのはすごく怖くて。小学生の頃に、週6で練習するくらい厳しい新体操のクラブチームに入ってたんですけど、団体競技で一回、リーダーを任されたことがあったんです。

    その頃、私はものすごく自分にストイックな時期で。お家での自主練とか、周りの人への礼儀とか、自分に求めるレベルを友達がやってくれないのに悔しくなっちゃって。「もっとやろうよ」「なんでできないの?」って思うがままに言っちゃってたんですよ。そしたら「そこまでするの、しんどいよ」「怖いよ」って、孤立まではいかないけど、友達と距離ができちゃって。多分それから、さらに「自分の意志を出すのは怖い」とか「責任を負いたくない」って性格になった気がします。

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意外な過去……。でも「自分を殻に隠すようになる理由」としては十分ですよね。その性格のまま進学していくわけですか。

  • 渡辺

    でしたね……。目標を持つわけでもなく、とにかく当たり障りなく、です。できれば楽な部活で、学級委員みたいな目立つ役職にもつかず。高校は付属校だったんですけど、大学も内部進学で、自分の受かりそうな範囲で一番いい学部に入りました。

    でも、大学に入って新しい環境になったのが大きいんですかね。それまでの生き方が急にすごく情けないなって思うようになって。「何かに挑戦したい」って思った矢先に、インスタのストーリーに、ミスコンの参加者募集が流れてきたんです。

まさかのミスコン?「当たり障りなく」とは対局にあるイベントじゃないですか。

  • 渡辺

    最初に言ったとおり本当に極端な性格なんですよ(笑)。もともと「やらない後悔よりやって後悔だ」みたいな気持ちも強いんですけど、それで「よし、やってみようか……」って。でもいざ参加してみたら、やっぱり人に見られるってすごく怖いし、ミスコン用のSNSもうまく使えなくて。ある賞はいただけたけど、またすごく挫折しちゃったんです。

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SNSがうまく使えない渡辺さん、今となっては想像つかないですけどね。

  • 渡辺

    本当に(笑)。でも挫折はしながらも、終わったあとに「あのタイミングで上手く立ち回ってたら、もっといい賞がもらえたんじゃないか」って悔しくなったし、「大変だったけど楽しかったな」って思えたんです。その気持ちで次にやりたいことを考えたときに、「ミスコンって毎年続いていくものだから、これから参加する人が私みたいに悔しい思いをしないようにしたい」って思って。それでミスコンに関わっていた配信会社のインターンを受けたんです。