ちぐはぐに見える組み合わせでも ワクワクできる並びのほうがいい
逆に東京からの遠征組にとっても、関西圏のグループを観られる絶好の機会になりましたよね。僕自身、不勉強でEVERYTHING IS WONDERって名前すら知らなかった上に、胸に大きなハートマークをあしらったフリフリの衣装でステージに出てきたから「『エクストロメ!!』にしては珍しいグループを呼んだな」と思っていたのに……。
- こばけん
まさか80年代ディスコ歌謡テクノポップをやろうとは(笑)。実は大阪のグループには多いんですよ。衣装はいかにもアイドルって感じなのに、やっている楽曲は渋い人たちって。
あと恥の上塗りついでに、誰もシラナイ。のこともまさに“知らな”くて……。
- こばけん
彼女たちは名古屋のグループなんですけど、勢いがスゴいですよね。
いい意味で、まあガラの悪いダンスロックをやっていて、それがまたよく似合っていた(笑)。で、どれも「エクストロメ!!」らしいグループばかりだったから、どうやってブッキングしているのか、気になったんです。
- こばけん
基本的には先ほどお話ししたような基準と、あとはぼくが面白いと思うかどうかで選んでいるんですけど、何十組もに一気にオファーすることはしていなくて。「36時間トロメ!?」でもまずイベントの軸になってくれそうな2〜3組にお声がけしてOKをもらったら、今度はその人たちと対バンしてもらいたいグループ、一緒に観てみたいグループ2〜3組にオファーして……ということを繰り返しています。
一気に80組くらいにオファーをかけて、返事のあった40組でタイムテーブルを組むほうがラクそうですけど……。
- こばけん
僕の性格的なものなんでしょうけど、特にこだわりもなく、ざっくり見繕ったグループに同時にオファーするやり方では逆になにも起きないと思っていて。傍から見たらちぐはぐな組み合わせでもワクワクできる並びのほうが意外なことも生まれやすい気はしています。
そのポリシーは2015年にイベントを主催し始めたころから変わらない?
- こばけん
そうですね。当時会社が流通を手がけていた偶想Drop(偶ドロ)をプッシュするイベント「EXTREME IDOL TERROR!!!」として始まったんですけど、偶ドロを軸に1組ずつラウド系のアイドルに声をかけるところから始めていましたから。だから当時は偶ドロと絶叫する60度が二枚看板で、そこに細胞少女やプティパ-petit pas!-、星名ふみみをブッキングして、さらに生ハムと焼きうどん、絵恋ちゃん、sora tob sakana、KOTOといったちょっと毛色の違う人たちにも出てもらう、みたいなことをしていました。
で、そのイベントを大阪・タワーレコードNU茶屋町店の店長だった曽我部(淳也)さんが面白がってくれて、2016年にはSUNHALLで20組以上集めたタワレコとのイベント「EXTREME IDOL TERROR!!!✕SELL NU IDOL?」を開催したりと、だんだん規模が大きくなって、出演者もバラエティ豊かになっていった感じです。ちなみに曽我部さんとは、当時リリースを担当していたおやすみホログラムを売り込んでいたときに知り合って、すぐに意気投合して恋に落ちました(笑)。
偶ドロのメンバーだった杏奈さん(瀬戸杏奈。ex. グーグールル / あんちろちー)が「EXTREME」を読み間違えたことをきっかけに「エクストロメ!!」に改名したころのこと?
- こばけん
ちょうどそのころです。偶ドロと同時に、弊社レーベル所属ではないのですがフィロソフィーのダンスをプッシュするようにもなっていましたし。偶ドロや絶叫する60度とフィロソフィーのダンスが「エクストロメ!!」で対バンし始めたあたりからイベントの流れが変わってきた印象があります。AqbiRecさんのグループ……MIGMA SHELTERとTHERE THERE THERESがよく出演してくれたりするようになったのもそのころです。
偶ドロとフィロのスって一見スゴい組み合わせなんだけど、「エクストロメ!!」のステージに並んだところを想像してみると、ちゃんと成立感がありますね。
- こばけん
そのころ、一見ハチャメチャなんだけどなんか「エクストロメ!!」らしい組み合わせというものを掴んだ感触はありました。フィロソフィーのダンスとヤなことそっとミュートとおやすみホログラムとtipToe.の対バンイベントを東京・下北沢CLUB 251で組んだ(2017年10月の「エクストロメ 下北編」)のも「エクストロメ!!」だからできたことでしょうし。
そのメンツだと、どう考えてもCLUB 251にお客さんが入りきらないですよね?
- こばけん
フロアの一番うしろに置いていた物販セットがお客さんにぶつかって、そこらじゅうに小銭をバラ撒いたり、事故しか起きない現場でした(笑)。