PAさんには2日間ずっと卓に張り付いてもらいました
でも、主に首都圏を主戦場にしているグループ中心の深夜イベントだからこそ関西圏のファンには新鮮に受け止められたんじゃないかな? という気もします。実際、お客さんも入っていましたし。
- こばけん
確かにそういう感触はありますね。深夜は昼とはちょっと違う、クラブインベントっぽくしたかったんです。客入れ時の照明を落としめにしてみたり、SEをDJ(situasionのプロデューサー・ヨロコビ)に頼んでみたり……。
ミニマルテクノやアシッドハウスをスピンしていたし、出演者側も深夜だからとエクスクルーシブなことをやっていましたよね。SANDAL TELEPHONEはジュリ扇を持っていたし、クロスノエシスは過去の衣装で登場し、あんちろちーやsituasion は昼の部とはまた違うセットリストを用意していた。
- こばけん
そうなんですよね。こちらから「あれやって」「これやって」ってお願いしなくても、みなさん色々趣向を凝らしてくれて。
それは歴史が長い上に、イメージが確立しているイベントならではですよね。イベンターと出演者がいい関係を築けている。
- こばけん
ありがたいことにそうですね。「あのグループは今度こういうことをするらしいですよ」って耳打ちしたら、ちゃんと煽られてくれたりもしますし(笑)。
先ほど「昼公演のみの2デイズイベントを企画した“だけ”」とおっしゃっていましたけど、SUNHALLクラスの会場で2日間イベントを打つだけでもけっこう大変な気がします。
- こばけん
確かに出演者はずっと会場にいるわけじゃない。リハーサルと自分たちの出番や物販が終わればホテルに帰れるんだけど、僕はずっと会場にいなきゃいけなくて。さらに大変だったのがPAさんなんです。「エクストロメ!!」界隈のPAは専門の方にお任せしているので。
会場のスタッフじゃないんですね。
- こばけん
東京から一緒に行っています。しかもPAさんはおひとりだから休み休み仕事をするってことができなくて。一応「合間を見て休んでいいよ」とは伝えているんですけど「こんなに身近なグループがたくさんいるのに休めるわけないじゃないですか!」と言われ……(笑)。
でも、そのPAさんが担保する“音のよさ”も「エクストロメ!!」の強みですよね? アイドルの場合、オケをCD-Rで寄越すグループもいれば、PCからハイレゾ音源をデジタルで出力するグループもいるだろうし、会場によって機材もまちまち。なのに、どのステージでも音質と音圧が安定している。
- こばけん
今「エクストロメ!!」ではオケをCD-RよりPCから直接音を出すグループが多いんですけど、確かにステレオ2チャンネルで出すところもあれば、8チャンネルのパラデータで出すところもあります。だからその音源の違いに対応してもらいたい上に、グループアイドルの場合、歌割りによってマイクのミキシングを細かく変えなきゃいけないんです
だからこそ“わかっている”エンジニアが必要なんですね。
- こばけん
ただだからこそ、PAさんには2日間ずっと卓に張り付いていただくことになっちゃった、と(笑)。
あと、こばけんさんも当日会場にいなきゃいけなかった上に、延べ40組以上のブッキングも担当していたわけですよね?
- こばけん
今考える恐ろしい話ですよね(笑)。
はい(笑)。そのブッキングの基準って?
- こばけん
Ringwanderungやsituasion、tipToe.、美味しい曖昧、衛星とカラテア、Kolokol、代代代なんかは東京でのイベントにもよく出てくれているグループだから、大阪での「エクストロメ!!」にも出演してもらいたくて。あと僕自身、ディスクユニオンの中の音楽レーベルの担当でもあるので、会社で流通や制作やプロデュースを手がけているグループ……たとえばSW!CHを大阪でお披露目をしたいっていう思惑もあったり。一方で姫路のWT☆Egretはお客さんからのプッシュがすごすぎて(笑)。実際曲を聴いてみたらメチャメチャよかったので「ぜひ出てください」という話をさせてもらいました。で、のらりくらりは7月の大阪のイベントに出てもらうつもりだったんですけど、コロナの影響でキャンセルになっちゃった上に、それで大阪でのワンマンライブも飛ばしていたので「じゃあリベンジしましょう」ってなった感じですね。
大阪でのイベントって首都圏とはまたノリが違います?
- こばけん
やっぱり東京中心に活動しているグループが多いから、関西圏の方にしてみると、今回の「36時間トロメ!?」の出演者の中には観たことのないグループも多かったと思うんです。だからか、昼の部、深夜の部それぞれのチケットも通しチケットもセールスがすごくよかったし、どの時間帯もフロアが空になるみたいなことがなくて。並行物販をやっていたから、常にぎゅうぎゅうになっていることはなかったんだけど、目当てのグループの物販を済ませたら、マッハでフロアに戻ってくるお客さんが多かった印象はあります。東京の大型イベントの場合「推しのグループだけ観られればいいや」っていう方も多いんですけど、そういう傾向はなかったですね。