令和に結成。新しいご当地の在り方を示すアイドルグループ
最後は、令和に結成した新勢力ともいえるグループを選出。
fishbowl<静岡県・2021年結成>
静岡県出身のヒットメーカー、ヤマモトショウ氏がプロデュースするグループ。メンバーも全員静岡県出身で、1月に新メンバーとして齋藤ザーラチャヒヨニと、元ラストアイドルの佐佐木一心が加入。テレビ静岡の冠番組『アイドル観察バラエティ』の放送再開をはじめ、グループやメンバーにも静岡県内の応援企業・自治体がついており、地域との強い連携や大きな展開と広がりを期待させる。2年連続『アイドル楽曲大賞』で1位を獲得しており、すでにもう「ご当地アイドル」と呼ぶのもはばかれるくらいの認知度だ。
7限目のフルール<長野県佐久市・2023年結成>
長野県佐久長聖高校から誕生したスクールアイドル。メンバーは全員長野県出身。デビュー直後から地元のテレビ番組などに出演しており、地元PRに一役買っている。活動期間は在学中の3年間。後輩(新メンバー)が入ればグループの新たな魅力が生まれるだろうし、県内でのイベント出演、タイアップ案件が増えるとより存在感が増しそうだ。
また、静岡県では昨年6月、浜松学芸高校社会科学部が浜松の注染浴衣の魅力を発信する浴衣アイドル・Tint2を結成し地域イベントにも参加。今後、各地でスクールアイドルが生まれる流れもあるかもしれない。
船橋ひまわり娘<千葉県船橋市・2019年結成>
船橋の魅力を多方面でPR・発信するグループ。プロデューサーは俳優・ミュージシャンの柏原収史氏、175RのISAKICK氏。昨年、新体制7人組となり『TOKYO IDOL FESTIVAL』に初出演。爽やかな楽曲、パフォーマンスが持ち味で年齢層が12〜23歳と幅広く伸び代が大きい。地元での定期ライブやイベント出演も多く、より一層の取り組みがあると面白い。
音楽活動でいうと、北海道札幌市が拠点のタイトル未定(2020年結成)は昨年8月に北海道勇払郡安平町の早来学園の校歌をカバー。山形県を拠点に活動するanew(あにぅー、2022年結成)は、山形県出身の唯一無二のアーティスト・ノリアキの『デビュー』をカバーし話題に。
最新情報では、市民団体「旭川女子向上委員会」が「夢のある若者の力をまちおこしに生かしたい」とプロデュースするローワンベリー(北海道旭川市・2023年結成)の楽曲も個性的で気になる存在だ。
ご当地アイドルも続々と誕生する時代。今後も地元のカラー、個性にあふれたグループが現れることを楽しみにしたい。
取材・文/赤木一之 撮影/アオキユウ(short cut)(fishbowl)