昨年、「日本ご当地アイドル活性協会」が全国2800組超の地方アイドルの活躍・発展を祈り、『ご当地アイドル四天王(2023年度)』を発表した。その四天王は、りんご娘(青森県・2000年結成)、Negicco(新潟県・2003年結成)、OS☆U(愛知県名古屋市大須商店街・2010年結成)、LinQ(福岡県・2011年)。
各グループ、行政や地元企業とのタイアップ案件も多く、りんご娘とOS☆UはYouTubeで定期的にまちの魅力を発信するなど、地域密着度も高い。そのくらい地元に根付き、話題になっているグループはどのくらいいるのか。「(都道府県名) アイドル」「ローカル アイドル」「ご当地 アイドル」などでニュース検索。2023年の情報をもとに、今年、注目すべきグループをピックアップした。
結成10年以上。地域の垣根を越えた取り組みも
まずは、四天王のように10年以上活動しているグループをチェック。
産地直送気仙沼少女隊 SCK GIRLS<宮城県気仙沼市・2011年結成>
東日本大震災後、地元を元気づけようと結成。3代目リーダーの鈴木麻莉夏は中学2年生からの初期メンバーで、2020年度から気仙沼市役所観光課にも勤務。アイドルと市役所職員の両方の立場から地域の魅力を発信するというご当地アイドルの鑑のような存在だ。ちなみに、アンジュルムの佐々木莉佳子、いぎなり東北産の橘花怜はSCKの元メンバー。
また、鹿児島県のS☆UTERN CROSS(2011年結成)は毎年、『東日本大震災復興支援ライブツアー』と題し、ツアーで北上しながら義援金と横断幕へのメッセージを呼びかけ、SCKの拠点である気仙沼市へ。ライブ活動の売上金額を復興支援として寄付し、10年以上、ご当地の垣根を越えた取り組みを行っている。
chairmans(チャーマンズ)<岩手県・2011年結成>
東日本大震災をきっかけに結成された被災地支援ユニット。毎年、水害で被害を受けた全国の地域を支援するチャリティーイベント『アイドル水かけ祭り』を開催。販売したTシャツの売り上げの一部などを義援金として寄付している。また、元旦に発生した能登半島地震の数日後、青森市観光大使のGMU(2015年結成)と共同で、被災地支援チェキなどの支援事業企画も実施。
現メンバーは去石莉子と美沙希だが、1月22日に運営から発表があり、3月31日をもって2人とも卒業し現体制が終了することに。2022年の『TOKYO IDOL FESTIVAL』では全国選抜を勝ち抜き、2023年はストレートに出演を決めた実力のあるグループ。彼女たちをきっかけに支援への意識が高まった人もいるだろう。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20230912/movie/6040019129_20230912190959.html?movie=false
8princess(エイトプリンセス)<東京都八王子市・2012年結成>
愛称は「はちぷり」。八王子観光PR特使。昨年3月に市立小中学校向けの給食メニューを発案し、学校訪問も実施。4月には八王子市議会議員選挙のイメージキャラクターに抜擢され、若年層の投票率アップに貢献。今年1月の八王子市長選挙のイメージキャラクターも務めた。
約11年間、同市を拠点に活動してきたが、コロナ禍にメンバーの卒業が相次ぎ、現在は初期メンバーの中神璃子、七期生(2019年加入)の清水めいの2名に。そして、3月31日のラストワンマンをもって解散が発表されている。昨年12月に発表した『明日へ』は、2月開催の八王子市主催「夢街道駅伝大会」の公式応援ソングであり、最後の曲。
長くご当地アイドルシーンを牽引してきた、チャーマンズとはちぷりの卒業。それぞれの最後の姿を目に焼きつけてほしい。
この他、Fun×Fan(和歌山県・2011年結成)が和歌山北署の地域安全キャンペーンや和歌山海保の海難事故防止、川崎純情小町☆(神奈川県川崎市・2011年結成)が宮前警察署の広報イベントに参加。10年以上ではないが、pacchi(青森県八戸市・2019年結成)が1日税務署長、九州女子翼(福岡県・2017年結成)の詩絵里が地元・長崎県川棚町ふるさと応援大使に就任するなど、それぞれが地域活動を行っている。