【推しの子】ブームで「歌ってみた」「踊ってみた」動画が大量発生！　ライブ映像を作り上げた小熊りん（CUBΣLIC）が語る【推しの子】の魅力とは？

“踊ってみた”の活動は去年の夏ごろ……CUBΣLICの小熊りんになってすぐに始めていて、それから2〜3カ月に1回くらいのペースで投稿していて。だから今年の冬ごろにもまた「そろそろまた投稿したいな」と思っていたんですけど、なかなか「これを絶対に踊りたいんだ」という曲に巡り会えなかったんです。

で、前回の投稿から5カ月くらい空いてしまっていたとき、大好きな横槍メンゴ先生と赤坂アカ先生の描いた『【推しの子】』のアニメ版の主題歌という形でYOASOBIさんの『アイドル』が解禁されて。曲にひと目ぼれというか、ひと聴きぼれしちゃったんです。でも、あの曲に振り付けなんてそもそもないんですよ。

だから自分で振りを考えるか、迷っていたんですけど、踊ってみたっていうコンテンツ自体がもともと好きだったこともあって、いろんな動画を見ていたら、個人的に一番好きなまぁりさんという踊り手さんが『アイドル』を踊っていらっしゃったので、それを急いで覚えて、即“踊ってみ”ました。

もちろん、まぁりさんみたいにオリジナルのダンスを考える人もいるし、私も自分で考えた振りを入れることが多いんですけど、ある踊り手さんのダンスをみんながマネしていくことで、その振りが界隈で流行っていくことも少なくないです。

まず歌詞に惹かれたんですけど、楽曲の1コーラス目、2コーラス目、ラスサビで主人公が違うのがすごくよくて。YOASOBIさんが公式にそうコメントしているわけではないんですけど、たぶん1コーラス目では、みんなが見ている（星野）アイちゃんの姿を歌っていて、個人的に一番好きな2コーラス目はアイちゃんと一緒にB小町っていうアイドルグループで活動しているんだけど、スポットライトが当たっていないメンバー視点になっているんです。

でもきっとその子たちにもアイちゃんばっかり注目されることへの悔しさや、それとは逆に仲間である彼女に対して「この子は最強なんだよ」「最高じゃなきゃいけないんだよ、アイちゃんは」っていう希望も持っているはずで。そこに光をあてていること自体いいし、そのあとにくるアイちゃん自身の本当の気持ちを歌っているラスサビの対比も効いているから、すごく好きなんです。

もちろん好きです。初っぱなからめちゃめちゃガツンとくるというか。

そこはもう個人的な好みの幅の話というか。フューチャーベースをメインにしていて、しかも基本的に明るいCUBΣLICのサウンドももちろん大好きなんですけど、YOASOBIさんみたいにいろんなジャンルを取り入れている音楽も大好きなんです。それはほかのメンバーも一緒で、（月嶋）なるや（黒川）音ちゃんも洋楽が大好きだったり、邦ロックをよく聴いていたりしますし。

そうですよね（笑）。

CUBΣLIC自体が（東京・渋谷のライブハウス）SHIBUYA DESEOとDESEO mini with VILLAGE VANGUARDがプロデュースしているアイドルだからですね。ひんぱんにライブをさせてもらえたり、グループにとってこの事実がすごい強みになっているので、今回もその強みを利用させてもらおうかな、って（笑）。

撮影しているのは、DESEO miniのステージです。『アイドル』を聴いて、まぁりさんの踊ってみた動画を見た瞬間、「これ、実際のステージで踊りたいな」って思い付いて。私自身はステージを貸してもらえればOKだったんですけど……。

ホントにそういう感じです（笑）。さすがに照明までお借りするのはムリだと思っていたし、カメラも自分でフロアに三脚を立ててフィックスの映像を撮ればいいと思っていたのに、結果、音響も照明もいつもお世話になっていて、仲良くさせてもらっているDESEOのスタッフさんがやってくれることになり、カメラもムービング付きのものになり……。CUBΣLICの活動のおかげで、なんかバチバチの映像になっちゃいました（笑）。

ライブ後の物販に「Twitterで流れてきたあの動画を観て、気になったので」と初めて来てくれた方もいたし、あと初めて対バンするアイドルさんとのあいさつがスムーズになりました。「踊ってみた動画、観ましたよ」って声をかけてくださることがけっこうあるので。

去年の4月2日にCUBΣLICに加入してから1年しか経っていない……自分自身、アイドルとしてまだまだだなって思っているんですけど、それでも踊ってみた動画のおかげでちょっと名前を知ってもらえるようになったことはすごくうれしいし、よかったな、と思っています。