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世間に推しを知ってもらおう! 韓国から始まった? ファンによる応援広告の今

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駅や街頭でよく見かけるようになった応援広告。応援広告とは、アイドルや声優、VTuberなど推しのためにファンが有志で掲出する駅ポスターやサイネージ、ビジョン広告のこと。その内容の多くは推しの生誕を祝うもので、広告には推しの写真やイラスト、お祝いメッセージが書かれている。

この応援広告の文化の発祥は韓国と言われているが、なぜ日本でも広まったのか。そして、日本の女性アイドル界隈ではどのような広告があるのかをリサーチ。今後、掲出を考えているアイドルファンにもぜひ参考にしてほしい。

肖像権がユルめの韓国。日本では「応援素材」として使用許可も

応援広告の文化の発祥は韓国にあるということで、その経緯を韓国観光公社元SNS広報大使であり韓国訪韓歴40回以上の伊藤由美氏に聞いた。なお、応援広告は韓国ではセンイル広告と呼ばれており、センイルは韓国語で誕生日を意味する。

「韓国の都市部のいたるところでセンイル広告を見かけるようになったのは、2016年に韓国で始まったオーディション番組『PRODUCE 101』からです。ファン投票でメンバーを選抜しグループをデビューさせるという企画で、投票はスマホからで1投票100ウォン(約10円)。推しがデビューしてもまだ知名度は低いので、ファンとしては自分たちがお金を出して応援してきた推しをもっと有名にしたいという気持ちが強く、人目につきやすい駅ポスターや街頭ビジョンを活用したようです」

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韓国の駅構内のセンイル広告

韓国では、新曲リリースやドラマ出演が決まった時にも応援広告が出ることもあるとか。また、気になるのが広告に使う本人写真の使用について。肖像権には引っかからないのだろうか。

「非営利目的であることが前提ですが、元々、韓国は日本よりも肖像権や著作権にうるさくなく、タレントの宣伝になるのであればということで黙認されているそうです。そのハードルの低さもあって広まったのではないでしょうか」

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ラッピングバス。韓国のセンイル広告は規模が大きい

そして、『PRODUCE 101』が始まって3年後の2019年。「日本版のシリーズ『PRODUCE 101 JAPAN』が始まってから日本でも応援広告が増えてきたのではないか」と話す、伊藤氏。

その理由は、『PRODUCE 101 JAPAN』の運営事務局が公式ロゴや練習生プロフィール写真を「応援素材」として期間限定で使用可能にしたことで、許可取りなど肖像権に対するハードルが下がり、広告を出しやすくなったため。その後、デビューしたJO1やINIの「応援素材」も期間限定で使用可能にした。

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INI・尾崎匠海の応援広告。イラストを使用

ちなみに、日本の女性アイドルでは昨年よりAMEFURASSHIや超ときめき♡宣伝部、AKB48はファンクラブ限定で「応援素材」を展開。いずれも、「あらかじめ事務所に概要(広告内容、展開場所、使用期間、費用、広告代理店名など)を送ること」「ファンの責任下で実施すること」がルールのひとつとなっている。

大手事務所がファンに対して素材を得やすい環境を作ったことで、今後は同様の展開を行う事務所も増えそうだ。