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世間に推しを知ってもらおう! 韓国から始まった? ファンによる応援広告の今

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全国向けにストーリーズ広告も活用

2人目は、5月8日に誕生日を迎えたばかりの≠ME・尾木波菜推し「尾木波菜生誕祭実行委員会2023」(@ogi_hana_HBD)代表のかぐ氏(@K4gurazaka7016)。応援広告の存在自体、前出の韓国の流れで知ったそう。

「元々K-POPが好きで、センイル広告を知りました。日本だと肖像権関係が難しいので、韓国ほど好きな写真を使って出来たりはしないのですが、応援広告自体はやはり人の目につきやすいのと、応援・お祝いの気持ちを形として出せるので、コンテンツとして日本でも流行って欲しいなと思います」

昨年はコロナの影響で人通りが少ないと考え、初めての駅広告を断念。その代わり、生誕委員で話し合い、誰でも見られるインスタグラムのストーリーズ広告を実施。今年は推しの生誕を盛大に祝うため生誕委員30名ほどにアンケートをとり、駅広告とストーリーズ広告の両方を行なった。

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5月7日(左)と8日(右)に公開したストーリーズ広告の画像

駅広告は東京メトロ半蔵門線「錦糸町駅」構内に5月8日(月)〜14日(日)の一週間掲出。なぜ、錦糸町?

「新しいCDが発売される度、≠ME×タワーレコードのコラボキャンペーンがありまして、毎シングルのキャンペーン対象店舗がタワーレコード錦糸町パルコ店さんになっていて。ファンの方が知っている場所やメンバーの関連ある場所をできるだけ選びたいなと考えていたので生誕委員で選ばせていただきました」

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尾木波菜応援広告

掲出には、前出の「籾山ひめり応援企画」同様、「jeki応援広告事務局 Cheering AD」に依頼。同社にデザインを依頼することもできるが、細部までこだわるため知り合いのデザイナーにオファー。

「知らない人でも目を惹くデザイン、アイキャッチを大事にしていきつつ、尾木波菜さんが好きなヒロアカ(=僕のヒーローアカデミア)にちなんで、アメコミ要素を入れたデザインにして、気に入ってもらえるようにも考えました!」

惜しかったのは、駅広告のポスターの校了日に最新MV『天使は何処へ』が公開され、その後に公開された最新の宣材写真でポスターを作れなかったことだそう。

「最新の宣材写真を使えなかったのは心残りですが、掲出前からファンの方々に“楽しみにしているよ”“見に行くよ”と声をかけていただき嬉しかったですし、実物を見た時の光景は感動しました! 広告の前で写真を撮ってツイートしてくださる方もいてやって良かったなと思います。そして、何より本人が見に来てツイートしてくれたのは生誕委員みんな本当に大喜びでした!」

すでに来年に向けての構想も。「駅広告をパワーアップさせてデジタルサイネージ広告に変えてみても良いかなと思います。あと、推しを全国に知ってもらいたいですし、どこに住んでいてもファンが見られるという考えも大事にして広告の企画をしていきたいです」(かぐ氏)

ファンの推しに対する愛情たっぷりの応援広告。その気持ちを考えると知らないグループやメンバーであっても「おめでとう!」と応援したくなるもの。この先、例えばバスや電車内の応援広告など種類が増え、出しやすい環境が整えば、街がアイドルの顔であふれかえる日も近いかもしれない。

取材・文/赤木一之 イラスト/川崎タカオ