あくまで作りたいのは“●●な衣装”
スタイリストとして活動してきて7年。やりがいを感じるのはどんな瞬間ですか?
- たけうち
やっぱり自分の衣装を着たアイドルがステージに立っている、その空間を見たときですね。スケジュールが合うときは極力、衣装のお披露目ライブにお邪魔させていただくんですけど、やっぱりお客さんが新衣装のアイドルを見て「かわいい!」と言ってるその場面を見て達成感を覚えます。
そういう意味でいうと、衣装は仕上がって納品したら終わりじゃなくて、その光景が生まれて初めて完成だと思うのかもしれないです。
「納品しても完成ではない」。こだわりを感じてかっこいいです! いろいろとお聞きしていくと、ファン目線を持ちつつ、メンバーも喜べる“アイドルファースト”なところがたけうちさんの衣装の魅力なんだと感じました。
- たけうち
ありがとうございます。でも確かに、難しいことではあるんですけど、“衣装がかわいい”ではなく、“衣装を着た子がかわいい”になるように心がけています。アイドルが着る衣装って、私の好みや技術を見せるためのものじゃなくて、それを着る子にしっくり来るかどうかが一番大事なので。
私自身はよく、衣装のシルエットや生地感を見て「ひと目でたけうちさんの衣装だと思いました」と言っていただくことが多くて、そのあたりに“らしさ”というか、好みやこだわりが出ているとは思うんです。でも、あくまで作りたいのは“アイドルひとりひとりがかわいく見える衣装”です。自分らしさを捨てているわけではないんですけど、この考えは捨てずに制作していきたいですね。
PROFILE
たけうち・はるか
4月29日生まれ。文化服装学院ファッション流通科2年スタイリストコース出身。
在学中にガールズバンド「SILENT SIREN」の衣装制作に携わり、卒業後、わーすたやLuce Twinkle Wink☆をはじめとした数多くのアイドルグループの衣装を手がける。
取材・文/アオキユウ(short cut) 撮影/武田敏将