全力で女性アイドルを推す女性のことを、アイドル業界では「女オタ」と呼ぶ。そんな彼女たちに「女オタの推し方」を聞くインタビュー。
「どんな気持ちで同性アイドルを応援しているの?」「どんな出会いからアイドルを好きになったの?」その気持ちにフォーカスする。
第7回目は、1つ足りない賽は投げられた(ひとさい)・望月さあやちゃんの女オタさんが登場です。2023年の上半期にTikTokで、特典会で見せた「ジャンピング土下座動画」でバズった女オタさん。その熱い思いをどうぞ!
PROFILE
そらさん 会社員
望月さあや ファン歴 5年
推しメン 望月さあやちゃん
身長148センチしかないのにステージでは2メートルくらいあって
そらさんって、昔からアイドル好きだったんですか?
- そらさん
いや、むしろ昔は嫌いっていうか、アイドルって「可愛い子たちがぶりぶりしてる」っていうイメージがすごくあって。もともと自分の顔が嫌いだったので、自分とかけ離れてるっていうか、見ると心が傷つくから嫌だったんですよ。
あー。「キラキラ青春してる人を見てると辛くなってくる」みたいな。
- そらさん
そうです! そうですそうです! だったんですけど、昔、出演者全員がAKB48の『マジすか学園』っていうドラマがあって。そこに松井玲奈ちゃんが「ゲキカラ」って役で出てたんですよ。
懐かしいですね。頭のネジが飛んじゃってる、少年院帰りの不良の役で。
- そらさん
そうです。血だらけになって笑いながら喧嘩するっていう。それが衝撃で。「アイドルもそんなことするんだ!」って。そこから、AKBの現場っていうか握手会に行くようになったんですよ。で、そこで知り合ったオタの子に連れて行かれたのが、TIF2017で。
おお、TIFデビューは2017で。
- そらさん
で、その子が元々、転校少女*が好きだったんですよね。そこで『ときめけ☆アフタースクール!』を見てしまって。そこから転校少女*のオタクになって。
めっちゃ良い曲ですよね。時代的には、転校少女歌撃団の時代ですかね。
- そらさん
はい。転女は4年くらい推してましたね。松井さやかちゃん推しでした。で、そこで出会った友達に、ASTROMATE……ひとさいの1個前のグル-プを聞いて。「アストロのメンバーみんな可愛いから見て!」って言われて。そこでさあやのTwitterを見たんです。っしたら、顔がドタイプすぎて。「こんな可愛い子いるんだ! 今すぐ連れてって!」って言って。それで好きになった感じです。そこから転女とASTROMATEで、ふたつの現場に行き続けるって感じでしたね。
一目惚れだったんですね。最初にライブに行って、望月さんを直接見た時は、どう思いましたか?
- そらさん
もう、とんでもなくって! さあやちゃんって、148センチしかないんですよ。なのにステージでは身長2メートルくらいあって。
2メートル!?
- そらさん
実際は2メートルないんですけど、そう見えるっていうか。本当にダンスがバッキバキのグループで、その中でめっちゃ激しく踊ってたんです。歌声も透き通ってて、ひとりだけステージで輝きが違ったんですよね。もう、さあやしか見えない状態で。で、特典会に出てきたのは、ちっちゃい女の子で驚いて。
感覚的には2メートルだったわけですもんね。
- そらさん
そうです。で、めちゃくちゃ人見知りされて。私も人見知りだから、「あ、こんにちは」くらいで終わっちゃったのが最初です。
なんの気持ちも伝えられないまま!
- そらさん
はい。でも、向こうにとっても、女の子が来たのが初めてだったらしくて。「それで緊張しちゃってた」って後々に言われました。
なるほど。アイドルからすると、同性のファンって嬉しいですもんね。そこからは現場にはよく行ったんですか?
- そらさん
まだ高校生だったので、今みたいに週何回も行くって感じじゃなかったんですけど。ちょいちょいですね。
でも、当時は転女にも通ってたんですよね? そんな衝撃的な出会いをしてしまって、転女や松井さやかさんに対して、罪悪感とかは生まれなかったんですか?
- そらさん
ありましたよ! っていうか、松井さやかちゃんって、「行かないで」みたいな事言ってくるタイプで。アイドルに沼ったこともないJKの小娘がそんなこと言われたら、「えー! さやかちゃんごめん! 行かないよ!」。みたいになっちゃうじゃないですか。
新しい推しができたけど、松井さんのことも本気で推していたわけですからね。
- そらさん
はい。でもやっぱり、転女に行く頻度は少なくなっていきましたね。月1から、3ヶ月に1回とかになって行って。一応、転校少女*の解散までは見届けましたけど。3ヶ月に1回とかじゃ、通ってたなんて言えないですけどね……。