アイドルにとって“歌唱力”は、重要なファクターである。聴き入ってしまうほどの圧倒的な歌唱力をもつライブアイドルも多い。
中でも、コロナ以前、アイドルライブシーンで「まさにアイドル界の歌姫!」と称されていたのは誰? と考えると、「フィロソフィーのダンス・日向ハル」「大阪☆春夏秋冬・MAINA」「predia・湊あかね」「まねきケチャ・藤川千愛」らの名前が頭に浮かぶ。
仮に彼女たちをコロナ禍前からの「歌ウマ四天王」とした場合、現在注目の歌ウマアイドルは誰なのだろうか? それを決めるべく、アイドル音楽評論家、ボイストレーナー、作曲家の3人にそれぞれの視点で選んでいただいた! 果たして2022年の歌ウマ四天王・候補者はいったい誰だ!?
吉田豪が選ぶ『歌ウマ四天王2022』
PROFILE
吉田豪
よしだごう
プロインタビュアー&プロ書評家。「人間コク宝」シリーズや、近著では『証言モーヲタ 彼らが熱く狂っていた時代』など、多数のインタビュー集を手がける。
毎週火曜配信の猫舌SHOWROOM『豪の部屋』では、アイドルや関係者を自宅に招いて公開インタビュー。このほか、イベント、ラジオ、テレビ出演など、多方面で活躍。
1人目・眉村ちあき
「とにかくレベルが違う歌唱力。もともとすごかったのに、独学で練習したらどんどん高い声が出るようになってきて、いまがいちばん巧いし、これからさらに巧くなるはずの逸材。最近、他のアイドルへの楽曲提供を再開させて、いい曲を書いてるんだけど、自分の歌唱力を基準にして作っちゃってるから、歌う側は大変だろうなとも思う。普通そんな声は出ないんですよ!」
2人目・桐生ちあり
「自分のやってることに誰よりも自信がない人なんですけど、とにかく巧いし、そして聴き心地の良さが見事。『お前はもう高い声も出ないしオワコンだ!』などと脳内で罵られ続けているらしいんですけど、もちろんちゃんと高音も出るし、オワコンどころかこれからの存在」
3人目・絵恋ちゃん
「わかりやすい歌うまタイプじゃないんですけど、可愛い声で綺麗に歌う能力値が高い人。社会性はないけれどアイドルとしては『ちゃんとした人』だと思っているので、歌声もちゃんと作りつつ、ピッチやらリズムやら音程やらをちゃんと守ることも、おそらくは努力で出来るようになったんだろうな、と」
4人目・東条ジョナ
「諸事情でZOCは一瞬で抜けることになっちゃったんですけど、サプライズ加入初日、彼女が歌い出した瞬間に会場の空気が変わったのが忘れられないです。活動中のバンド『Twingowind』での歌声も最高!」
ブレイク前から吉田豪氏が推している眉村ちあきをはじめ、桐生ちあり、絵恋ちゃんと、進化し続けるソロアイドルがラインナップ。桐生ちありはアイドルグループ『re:miaw(リミュー)』でも活動。東条ジョナはバンド『Twigowind』のMVやライブ動画を要チェック。同氏が「会場の空気が変わった」「歌声も最高」と話すのも納得だ。