【4つのポイント】写真集はコース料理のようなもの
もう少し深い部分も聞いていければと思います。写真集の中で特に注目して見るポイントなどはありますか?
- 熊崎
4つほどあるんですが、ひとつめは【キメ顔以外の表情を見る】ですね。
キメ顔ではなく?
- 熊崎
週刊誌やSNSでは、載せられる写真の枚数が限られてるので、基本的には本人が自信のある表情が多くなりがちです。写真集は、枚数が多い分、自然な笑顔や力の抜けた顔、眠そうな表情といった、普段の一面を垣間見ることができるんですよね。
アイドルには、必ずと言っていいほど利き顔がありますからね。
- 熊崎
良い写真集や、良い被写体は、表情のレパートリーが多いんです。笑顔が魅力的な方はたくさんいますが、何気ない表情をちゃんと写せる人って、意外と限られてると思います。
なるほど。ふたつめは?
- 熊崎
【イメージカットに注目する】です。イメージカットも同じくらい大切ですね。風景や後ろ姿など、余白の多いカットは写真集の世界観を作ると思ってます。
改めて聞くと「グラビア=水着」という先入観を持っていたかもしれないです。
- 熊崎
レビューでは「こういうカットはいらない」というコメントも見ますが、いやいや何言ってんだ! と。イメージカットがあるからこそ、大胆なカットが映えるんだと、声を大にして言いたいです。

続いて3つ目、お願いします。
- 熊崎
先のふたつにも関係するんですが、こうしたさまざまなカットの押し引きで写真集の読み味が決まります。私はこれをコース料理みたいだと思うんです。
コース料理?【写真集をコース料理に例えてみる】ってことですか?
- 熊崎
はい。前菜やスープによってメインディッシュが引き立つように、写真集でも日常のカットや、イメージカットがまぶされていることで、水着やランジェリーのカットが際立つ。全体のバランスと流れを楽しむものだと思っていますね。
なるほど。「このコースはなかなかいいな」と、食事のように楽しむわけですね。たしかに、お肉ばかり出されたら胃もたれしますからね。
- 熊崎
1枚の写真だったらいいんですが、写真集になるとやっぱり流れが大切なんですよね。“コース料理”は、今思いついた例えですけど、かなりしっくりきました(笑)。
それは良かったです! こちらも話を伺った甲斐があります!
- 熊崎
最後のポイントは【職業人としてグラビアを見る】です。
どういうことでしょう?
- 熊崎
グラビア界は、コスプレイヤーやインフルエンサーなど、他業種の人がどんどん参入してきている世界です。そんな中で、グラビア専門でやっている方たちの作品には「貫くかっこよさ」を感じるんです。
グラビアは、仕事論と紐づけて読めるということですかね。
- 熊崎
そうです。先ほども話したように、写真集を発売するまでには長い道のりがあります。狭き門を潜り抜けた方たちの、プロフェッショナルとしてのプライドを受け止めると、私も局アナとして誇りを持って、仕事に向き合いたいという気持ちになるんです。
自分を顧みるきっかけになっているんですね。
- 熊崎
心して写真集と向き合うことで、自分自身とも向き合えるんですよね。まあ、グラビアの方たちからしたら、気軽に見てほしいと思ってるかもしれませんが。
熊崎アナらしい観点だと思います! 最後にグループアイドルの写真集に期待することを教えてください。
- 熊崎
アイドルの方は、ステージ上で最高のパフォーマンスをされるので、グラビアでは日常の部分をもっと見せてほしいと思っています。キメ顔とかは、もうみんな知ってるはずですから、そうじゃない一瞬の表情を切り取った写真集を読んでみたいです。
写真集は、ただ「かわいい」を眺めるだけのものではない。そこに込められた物語や構成、被写体の積み重ねに目を向ければ、もっと深く楽しめるはず。熊崎アナ流の「3つの視点」と「4つのポイント」で、あなたも次の一冊をじっくり読み解いてみよう!

PROFILE
熊崎風斗
くまざき・かざと
2013年入社。
担当番組は、
テレビ『ひるおび』(水)(木)
ラジオ『アフター6ジャンクション2』(木)
テレビ『ラヴィット!』(不定期)
テレビ『いくらかわかる金?』(実況)など
その他スポーツ実況では世界陸上5大会、五輪4大会現地での実況など数多くの国際大会を経験。2月のミラノコルティナ五輪ではスノーボード男子ハーフパイプ、女子スロープスタイルなど金メダル実況を担当。
取材・文・撮影/ババショウタ
