INTERVIEW

INTERVIEW

北陸を代表するご当地アイドル・ほくりくアイドル部のキャプテンで“防災士アイドル”松井祐香里インタビュー「ピンチをチャンスに。ライブをすることで一日も早く日常を取り戻したかった」

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3月16日の北陸新幹線敦賀延伸・開業で盛り上がりを見せる北陸3県(富山、石川、福井)で活動する、北陸のご当地アイドル「ほくりくアイドル部」。

「北陸を“音楽”で元気に!」をテーマに2016年6月に結成。現メンバーは22人。昨年9月には北陸最大のアイドルフェス『かがやきフェス』(今年は9月7日、8日開催)を主催し成功させるなど、新幹線延伸・開業の勢いに乗って、存在感も増している。また、5月12日に開催するガラスガールの公式フェス『ガラフェス』にも、ほくりくアイドル部の選抜ユニット「かがやき」が出演。

そこで、3月2日に開催された7周年記念感謝祭当日、グループを代表して、1期生でキャプテンの松井祐香里にインタビュー。“防災士アイドル”として、能登半島地震が起きた際には、YouTubeやXで防災対策を発信。震災で感じたことや、なぜ防災士なのか、グループ加入のきっかけや活動についても聞いた。

「被災したからこそ、ステージに立ちたい」というメンバーもいた

震災が起きた時、松井さん自身はどんな状況でしたか?

  • 松井

    年末年始は県外にいて、帰宅途中に地震のことを知りました。すぐにグループLINEでみんなの安否を確認したのですが、震源地の能登に帰省していたり、被害の大きかった輪島に行っていたメンバーもいて、全員と連絡が取れるのに、2日間くらいかかりました。

被災地にいたメンバーもいたんですね。

  • 松井

    幸い無事でしたが、私自身、ニュースを見れば見るほど心が苦しくなるし疲弊してしまって。メンバーみんなも同じ気持ちだろうなと思いながら過ごしていました。

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1月6日には、震災前から予定されていた定期公演がチャリティーライブとして開催されました。まだ世の中が混乱している中での開催は大きな決断だったと思います。

  • 松井

    前日に、「みんなはやりたいか」という意思の確認が、プロデューサーの中新(賢人)さんからあって。「今、私たちがやることが正しいことかはわからないけど、できることがあればやりたい」「余震も続いていてこわい部分もあるけど、とにかく石川県のために何か動きたい」とか、みんないろんな意見があった中で、自由参加で、「出られるメンバーだけ出よう」と、大人の方たちが最終的に判断しました。

松井さんは、開催に向けてどんな気持ちでしたか?

  • 松井

    中高生のメンバーもいるし、親御さんもこの状況で預けるのは不安だろうと思ったので、防災士として避難経路を確認したり、「必ず簡易トイレと新聞紙、着替えと水を余分に持ってくるんだよ」と、全員に持ち物を伝えました。ビビらせるわけじゃないけど、ちゃんと防災意識を持った上でライブをやろうと。

心強いですね。防災士については後ほど触れたいのですが、当日のメンバーの様子はどうでしたか?

  • 松井

    円陣の時、いろんな思いがあってみんな泣いていました。前日の夜まで輪島の避難所にいた石澤彩ちゃんも帰って来れて。お風呂に入れず、温かい食事も十分にとれてなかった期間もあったので、「大丈夫?」って聞いたら、「被災したからこそ伝えられることもあると思うし、ステージに立ちたい」って言ってくれて。

気丈ですね。

  • 松井

    特典会も、「やりたくない人は出んでいいよ」って話したけど、みんな出るって言ってくれて。MCでファンの方にも、「いつも通り他愛もない話ができたら」と伝えました。私たち自身もそうですけど、大変な状況の中、一瞬だけでもほくりくアイドル部のライブを楽しんで、気持ちも会話も日常を取り戻せたらと思いました。

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