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紅白&レコ大出場! 新しい学校のリーダーズが売れたワケとは? デビューからブレイク前夜までを考察

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海外ウケする歌謡曲フレーバーと踊りたくなる振付でバズる

2023年に入ると、コロナ禍の2020年に発表した『オトナブルー』が突如大ヒットし、これが大ブレイクの起爆剤となる。2023年3月時点で、YouTubeにアップされていたライブ映像の再生回数が600万回を超え、TikTokの関連動画再生数は4億回(!)を叩き出すほど話題に。その反響を得て、公式はライブ映像だけでなく、『オトナブルー』のMVを制作し公開した。

なぜ、ここまでバズったのか。その要因を鈴木氏は、「楽曲面では、海外でシティポップに注目が集まっている中、『オトナブルー』のような、彼女たちの根底にある歌謡曲フレーバーが海外リスナーに引っかかったのではないか」と話す。

たしかによく言われていることだが、『オトナブルー』には、“山本リンダを彷彿とさせる昭和歌謡感”がある。その世界観が、海外のムーブメントと合致し、火が付いたのだ。

2019年には山本リンダ『どうにもとまらない』のカバーも発表している

楽曲に加え、大坪氏はダンスも海外ウケしたと考える。

「ヒットの要素でいうと、ステージやMVを見て“踊りたくなる”というのが大きいと思います。TikTokのフォロワー数の多さや人気はもちろんですが、AKB48の海外進出くらいからYouTubeに海外の投稿者の日本アイドルカバーダンス動画がかなり上がっていて、その中でも『ATARASHII GAKKO! COVER』で検索すると、カバーダンスやカバーグループのステージ映像がゾロゾロ出てきます」

調べると確かに、韓国、ロシア、スペインあたりなど、さまざまな国の動画が確認できる。

MVまで再現するグループも

「新しい学校のリーダーズの公式チャンネルもMVだけでなく振り付けがよくわかる『Choreography Video』をアップしていて、『オトナブルー』の通常MVが5400万回超、『Choreography Video』が1300万回超と、世界のファンが何度も見て振り付けを練習しているのが想像つく回転数です」(大坪氏)

鈴木氏は、首振りダンスの難易度にも注目。

「首振りダンスは、一見キャッチーだけど、実際にやってみるとちょっと難しいというところがウケた理由だと考えています。簡単すぎると、SNSで上げても『いいね』をもらいにくいし、逆に難しすぎるとできない。ダンスとして、ちょうどいい難易度だったのではないでしょうか」

また、バズ関連で興味深い話も。

「新しい学校のリーダーズの対バンで個人的に一番印象的だったのは、FRUITS ZIPPER『わたしの一番かわいいところ』、超ときめき♡宣伝部『すきっ!』の振り付けを担当した“バズを生む”振付師・槙田紗子さん主催のアイドルイベント『サコフェスvol.2』(2019年11月)に出演していたこと」(鈴木氏)

https://popnroll.tv/articles/5361 (新しい学校のリーダーズ出演時のライブレポ)

「このイベントは、主に槙田さんが振り付けを担当したグループがブッキングされていたのですが、新しい学校のリーダーズに関しては、彼女たちのことが大好きになった槙田さんが熱烈ラブコールを送って出演が決定。その後、新しい学校のリーダーズが『オトナブルー』でバズったことを考えると、バズを生み出すクリエイター同士には何か惹かれ合うものがあったのかなと思っています」(鈴木氏)

2019年の公式YouTubeのコーナー『SUZUKAの部屋』でも、さまざまなゲストがリーダーズの魅力を語っており、ほっとけないグループというのがわかる。

2019年の時点で、元原宿のカリスマ店員でタレントのぺえ氏に対しSUZUKAは、「自分たちの全力のスタイルが明確になってきて進化しているし、あとは革命を起こすだけ」と話している。実際、コロナ禍を経て、大きすぎるほどの革命を彼女たちは起こしたのだ。

セーラー服を着続け、コンセプトがブレることなく全力のスタイルを貫き通したこともブレイクの一因であり、その全力の姿が見る人に元気や勇気を与えたはず。

今年5月にはヨーロッパ初進出でスペイン最大級の音楽フェス『Primavera Sound Barcelona 2024』への出演も決まっており(過去にはきゃりーぱみゅぱみゅやPerfumeも出演)、海外ファンがさらに拡大しそうだ。メンバー個々の活動の幅が広がる可能性にも期待しているし、今後の“はみ出し”に注目したい。

取材・文/赤木一之 イラスト/川崎タカオ