NEWS

NEWS

「今年はこのアイドルソングが最強でした!!」ガラスガール編集部が選ぶ『アイドル最強楽曲10選・2023』

gakkyoku2023main

ライター成松&犬飼華が選んだ楽曲とは?

PROFILE

成松 哲

大分県出身のフリーライター・編集者。いくつかの編集プロダクションや音楽ナタリー編集部を経て現職。著書に『バンド臨終図巻』(河出書房新社/文春文庫、共著)など。

成松哲が選んだのは……AFTERS『POWER NUTS』

ハードハウスを下敷きに、国内ではジュリアナテクノと称されがちなレイブミュージックやらなんやら、1990年代前半にクラブシーンで流行ったテクノミュージックをごった煮にした1曲。この曲のあとリリースされたメンバーの自己紹介ソングであるセルフタイトルナンバーはなぜか暴力的なラウドロックだったし、そもそもお姉さんグループは“楽曲派”最注目のsituasionだし、デビュー当初から「AFTERSがどんな曲を歌っても驚くまい」と誓っていたはずなのに、30年前の僕らが踊り狂っていたものと同じくアシッドなトラックに乗せて、〈電車乗って 海行って きゅうり食って スイカ割って ダッシュして 家帰って〉と子どもの夏休みの1日をまくしたてるこの曲にはさすがに意表を突かれました。

音楽的にかなり偏差値の高いことをやっているはずなのに、あまりのバカバカしさに笑いを禁じ得ない。 そんな間違いだらけのサマーソングだから、年の瀬も押し迫った今なお愛聴しています。

PROFILE

犬飼 華

AKB48、坂道、僕青を中心に執筆するライター。総取材数は3600を超える。オフィシャルからの依頼もぼちぼち。ガラスガールでは連載『やすすの世界~君はまだ本当の秋元康を知らない~』を執筆

犬飼華が選んだのは……SKE48『Loose control』

「2023年のアイドルベストソングは?」と問われても、網羅的にチェックしているわけではないから、48系に絞ってチョイスしてみると、もっとも心に残ったのはSKE48 Team Eの『Loose control』である。 これは、7月15日にスタートしたオリジナル新公演「声出していこーぜ!!!」の中盤の1曲である。正確にいえば、もっとも心に残ったブロックは、中盤の3曲の流れ(『Loose control』『Don’t judge me』『グーとパー』)だ。 この3曲、従来の48系楽曲とルックが違う。何しろ振付があのTAKAHIRO先生なのだ(正確には『Don’t judge me』と『グーとパー』は監修)。TAKAHIRO節とも言うべきムーブ(ロックダンスの基本であるトゥエル<腕を振る動き。よく中居くんがやるやつ>など)が連発されるのも気持ちいいし、『Loose control』の1番でセンターの林美澪にあえてダンスをさせないという、一種の禁じ手すら使い、SKE48を新世界へと誘っている。

センターの脇を固めるのが斉藤真木子&倉島杏実というのもまた味わい深い。2人は選抜にこそ入っていないが、この曲こそ見せ場とばかりに命を削りながら踊っている姿を観ていると泣きたくなる。 3曲とも作詞/作曲は前迫潤哉氏。AKB48『NO WAY MAN』、欅坂46『ガラスを割れ!』、日向坂46『JOYFUL LOVE』などを手掛けた氏の曲は、それぞれが独立しながらも、どこか連続性のある世界が個人的にはすっかり癖になってしまっている。 これはまったくの個人的体験だが、この3曲のレッスンを私は見学させてもらっている。TAKAHIRO先生はTeam Eの面々の士気を上げながら魂を伝授するというやり方で、メンバーはすっかり先生のトリコに。メンバーどころか、こっちまでファンになってしまった。資料用に撮影したレッスン動画はすでに80回くらい再生した。 その映像を世界にバラまきたいのだが、ここで問題が。この『Loose control』、DMMで購入しないと映像を見ることができないのである……!