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「アイドルに最も触れるものだから、デザインだけでなく素材から気をつけて作ってます」アイドルの衣装を語る夜〜大坪ケムタのアイドルトークライブ〜

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相手の理想を超えるのが何より一番難しいです

アイドルの衣装を作る前はもともと舞台衣装を制作していた天神さんに、パンク・ゴスロリ系からMCシスター・オリーブなどに掲載されるような可愛い&綺麗め系まで幅広く手掛けるアパレルデザイナーだったYUKAさん。珍しいのはアイドルデビューが決まってから、自分のグループの衣装を制作することになったフカミさんですが。

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フカミさんが衣装も制作する始発待ちアンダーグラウンド
  • フカミ

    始発待ちアンダーグラウンドに入るのが決まった時は服飾系の大学に在学中で、当時は舞台や映画の衣装について勉強中だったんです。始発待ちのデビューと卒業が重なる時に、デビュー前にMVを制作することになったんですけど、「衣装どうしよう」って話がスタッフさんから出てきて「自分に作らせてください」って伝えたんです。だからいきなり実践ですね。学生時代は授業の一環として作ってたくらいで、誰かに作るということはなかったです。アイドルやらなかったら衣装さんやる事はなかったかもしれないですね。

なるほど。そんなみなさんに、まず基本的な話をうかがいたいんですが。衣装はどういう流れで依頼されるんでしょうか?

  • 天神

    よくあるのがアルバムのリリースのタイミングにアルバムのイメージでお願いされるパターンですね。あと「ワンマンに合わせてお披露目したい」というものや、「一年間この黒の衣装着たから、次はイメージがらっと変えたい」ということが多いですね。わたしの場合は楽曲を渡されてそこからイメージして作ることが多いです。

  • YUKA

    珍しいパターンだと『二代目不感症ヘビ苺』ちゃんたちは、メンバーのれなちゃんがデザイン画を書いて送ってくれるんです。一緒に生地も見に行って「これいいね」って選んだりもするんですけど最終的にはこちらがまかされて作るわけで。

    先方からデザインが出る場合、その絵自体ではなく、デザインした人の頭の中にあるイメージを超えて具現化しないと納得してもらえません。ただデザイン画通り作れば良いわけではないのです。デザイン画に細かい指示があるほど作者の頭の中には確固としたモノが出来上がってるわけで、それを超えるのが何より一番難しいです。

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二代目不感症ヘビ苺のれなさんの衣装
  • 天神

    事前にアイドル本人に話聞くこともあるんですけど、「私のイメージはこうなんです」って子もいれば「全部おまかせします」って子もいて、どっちも面白いし挑戦ですね。やりがいがあります!

  • フカミ

    わたしはメンバーの意見を運営さんを通さず聞けるので、割りと融通きかせてる方なんじゃないかと思います。ただ、その反面メンバーと運営に板挟みになるんですね。運営さんから「コンセプトはこうしたい」って聞くけど、そこまでメンバーはまだ知らなかったりして。メンバーはメンバーで「次の衣装のここは譲れない」とかこだわりがあったりして「どっちの意見も聞きたいけどどうしよう!」ってことはありますね。まだ3人組だからまだ良かったけど、9人とか10人組だったら(板挟みに疲れて)アイドル辞めてたかもしれないです(笑)。