アイドルの目覚めは“先輩のステージ”で
でも、そんな内気なヒマリさんがアイドルになるって、どんな経緯だったんですか?
- ヒマリ
高学年の頃に家族で大阪の梅田に遊びに行ったときに、今の事務所の方からスカウトしてもらったんです。で、お母さんが「思い出づくりに受けてみる?」って言ってくれて、「どうせ落ちちゃうだろうけど、記念に」って面接を受けました。
でも、人見知りのせいで大人とほとんど話したことがない子だったので、敬語を知らなくて。その面接でも「はい」って答えなきゃいけないところも「うん」でしたし、語尾もモゴモゴしていた覚えがあります。お母さんも「絶対落ちた」って思ってたらしいんですけど、今自分で振り返っても、どうして入れたのか……びっくりです(苦笑)。
きっと当時から光るものがあったんですよ。スカウトからの合格をきっかけに、「関係ない」と思っていたアイドルとして活動を始めたわけですが、最初の頃はどうでした?
- ヒマリ
不安の気持ちが大きすぎました。歌を歌うのは好きやったんですけど、得意ではないし。ダンスも未経験だったので、そもそもレッスンについていけないところから始まって。面接のときもそうでしたけど、本当に「どうして私なんかが入れたのか」ってずっと思ってました。
でも、レッスン始めて半年後くらいですかね? 先輩グループの「いぎなり東北産」 さんのライブで、オープニングアクトに立たせていただく機会があって。そこで初めて「アイドルって楽しい!」って思いました。
初めて立ったステージでついに! 何が楽しかったんですか?
- ヒマリ
そこにいたファンの方々は先輩を見に来てるはずなんですけど、無名の、何でもない下っ端な私たちが必死に踊ってるのもノリノリで応援してくださったんです。「アイドルファンの方々って、こんなに優しく支えてくれるんだ」って嬉しくなって、全然まだまだなパフォーマンスでもすごく楽しめたんですよね。「このお客さんたちのために、もっと頑張りたい」って思えたステージでした。
すごい! 織田さんの中のアイドルが目覚めましたね!
- ヒマリ
(笑)。でもそうですね。どちらかといえば「大人よりも同年代に人見知りするタイプ」というのもあるのかもしれないですけど、今はもう「ステージに立てば、普段の学校にいる“人見知りの自分”とは違う自分になれる」って気がします。