全力で女性アイドルを推す女性のことを、アイドル業界では「女オタ」と呼ぶ。そんな彼女たちに「女オタの推し方」を聞くインタビュー。
「どんな気持ちで同性アイドルを応援しているの?」「どんな出会いからアイドルを好きになったの?」その気持ちにフォーカスする。
第2回目は、モーニング娘。'22のメンバー・牧野真莉愛(まりあ)の女オタさんが登場です。
PROFILE
汐音さん・会社員
モーニング娘。'22 ファン歴 6年
推しメン 牧野真莉愛ちゃん
父に「趣味ができて。お金がかかるんだけど……」って
汐音さんの、アイドル好きの歴史をお聞きしていいですか?
- 汐音さん
子供の頃はスマイレージが好きでしたね。あやちょ(和田彩花)が好きで。同級生がハロプロが好きで。「めっちゃ良いよ!」ってお薦めされて聞くようになったんですけど。デビューするときに「みんなの笑顔を集める」っていう笑顔キャンペーンっていうのがあって。
はいはい。スマイレージがメジャーデビューするために、「1万人の笑顔の写真を集めて、それでモザイクアートを完成させる」っていう試練みたいなのがありましたね。
- 汐音さん
はい。それでメンバーが来たことがあって。見に行った覚えがあります。本物のあやちょ可愛かったですね。「え? これ本物なの? 本物ってこんなにかわいいの?」って感動しました。でも当時は、まだCDを買うっていうくらいで全然オタクとかではなかったですね。ライブに行くっていう頭はまだなくて。でも学校内でスマイレージはけっこう人気あったんですよ。
時代的にはAKB48の人気の勢いがすごかった時期ですよね。
- 汐音さん
そうですね。クラスではAKBの写真とかカードとかを交換してる子がいましたね。でも私の周りではスマイレージのファン、多かったんですよ。
なるほど。そこからアイドルオタクへの道を進み出したと。
- 汐音さん
いや、それが……中2、中3でビジュアル系にハマりまして。
ハマりましたか。どうされました?
- 汐音さん
いや、また別の友達の影響で(笑)。入りはゴールデンボンバーからですね。そのあとは、DOG inTheパラレルワールドオーケストラ(以下・ドッグ)っていうバンドにハマって。当時は、ぶりぶりのピンクのフリフリを着てましたね。
でも、中学生でそういう服を着るのって高くないですか?
- 汐音さん
ですね。父をたぶらかしてました。「最近、趣味ができて。ちょっとお金がかかるんだけど……」って。で、そのお金で服を買って、ライブに行って、チェキを買ってって感じですね。そうなってくると、スマイレージのファンだった友達とも疎遠になっていって。
まぁ、そうなりますよね。
- 汐音さん
その後、ドッグからまた違うバンドに行くようになったんです。でも、そのタイミングで私に彼氏ができたんですよ。高校ではじめてできた初カレで。そうしたら、彼氏に「バンドに行くな」って言われて。それでビジュアルバンド界隈から抜けたって感じです。
おおー。ちょっと心が狭い気もしますが、でも彼氏の気持ちもちょっとわかりますね。男からすると、インディーズバンドの人ってライブ終わった後にファンの可愛い子に「打ち上げ参加しなよ」って誘って、手を出しそうなイメージありますから。
- 汐音さん
あ、ありますあります。で、実際あって。
あった!
- 汐音さん
SNSのDMにメンバーから「●日とか空いてない? 会える?」って。で、彼氏にもその話したら、「もう行かないで」って言われて。まぁ、いろいろあって、って感じですね。
バンドマンめ!!!! で、その後、ビジュアルから足を洗って、どうなっていくんですか?
- 汐音さん
で、そのあと彼氏と普通に暮らしてたんですけど、あるとき友達が「工藤遥ちゃんがすごく可愛いから!」って言って。そこでハマりだして。とくに『セクシーキャットの演説』のPVが最高で。男の子チックな感じと可愛さのギャップがすごかったですね。「可愛いカッコいい、けど本人はそんなに男っぽくなりたくない」みたいなのが最高で。「これはもう推すしかない!」って思った瞬間に工藤遥ちゃん、卒業を発表しちゃったんです。
なるほど。そこから推しがいなくなって。
- 汐音さん
そうですね。でもモーニング娘。は本当に良かったんで、友達と応援は続けてて。で、その後、私は牧野真莉愛ちゃんで友達が野中美希ちゃん推しになりました。