でっかい◯◯を建てたい
前編ではおふたりの過去や現在の話をしてきたので、ここからは未来の話をしましょうか。
- 空野
ねー、将来のビジョン教えてよ。アイドルとしての。
- マリリ
将来のビジョン? すごい質問だなぁ(笑)。うーん、アイドルとしては……ディナーショーができる人になりたい。ひとりでも、フィロソフィーのダンスとしても。
松田聖子さんがされているようなショーを、ホテルの宴会場みたいなところで、みたいな。
- 空野
なにそれ! なんか素敵だね。
- マリリ
たぶん私、50代とかになったら「もう踊れない」「踊りたくない」ってなってると思うの。
- 空野
たしかに。動けないって思ってるかも。
- マリリ
でしょ。その歳になって今と同じことができるかって思うとそうじゃないけど、やっぱり私はいつまでも歌を歌って生きていたいし、ファンの人と一生一緒に生きていたいから。
「踊れなくなっていくかもしれないけど、一緒に生きていく方法」を考えたら、みんなでお食事とかしながら、ピアノに合わせて歌うみたいなことができるようになれたらいいのかなって。
- 空野
すごい。結構具体的にあるんだね。でも今のフィロのスも、もうできそうじゃない?
- マリリ
できるかもしれないけど、今はもっとできることがあるっていうか。全国をまわって、めっちゃ踊って……って、やっぱり今しかできないよなって思うじゃない?
あくまでディナーショーは、めっちゃ長い目で見たときの将来目標! 今は「アイドルに詳しい人以外にも知られるようになりたい」が大きな目標かな?
空野さんの「将来のビジョン」は?
- 空野
あおにゃんも長い目で見た目標は近いかも。みんなを笑顔にしたり、幸せにしたりするお仕事はずっとやりたいなって思ってて。ずっと応援してくれてる人たちは、自分にとって家族みたいなものだなと思ってるから、みんなにお返しをし続けたいんだよね。
北陸の“戦士”(ソロ時代のファン)のみんなもそうだし、でんぱ組になってから応援してくれてる人もそうだし。なんか、でっかい老人ホームを建てたい。
老人ホーム?
- マリリ
えっ、一緒!
……一緒!?
- 空野
わかる? 老人ホーム建ててさ、レクリエーションみたいな感じで、アイドルが来て歌とダンスを披露する時間があって。そこでみんなで身体を動かしてもらって……みたいな。
- マリリ
うんうん。そこのスタッフも元アイドルさんとかで、「老後も推しと過ごせます」みたいな。元アイドルもずっと仕事があるし、入居するオタクの心の健康にも絶対にいい空間。
- 空野
私はそこまで考えてなかった。なるほど、スタッフも元アイドルか!
ちょっと待ってください。「老人ホーム」で共感し合うことって普通あります?
- マリリ
わはは(笑)。あおにゃんと私ってさ、基本的に共通点ないじゃん? キャラクターもパフォーマンスも違うし。なのに出てきた共通点が「老人ホーム」。すごいな!(笑)
でも、アイドルやってるとさ、ファンの人に対する愛ってこうやってめっちゃ増していくよね。
- 空野
本当にそう! マリチチは同じマインドだった(笑)。そうならない子もいるらしいけど、私はもう、ファンの人と一緒にお墓に入りたいくらい。
- マリリ
それもわかる。自分が死ぬより前……40歳とか50歳とかになったら、大きめの土地を買って、そこに自分の墓を建てておいて。その周りにファンの人も眠れるようにしてあげたい。
- 空野
あ〜、マリチチ霊園みたいな。
パワーワードすぎる。
- マリリ
そうそう。マリちゃんが死んだあと、ファンの人も限界が来てしまったら「マリリ、もう行くからね」って、同じ土地に集まってこれる、みたいなね。
- 空野
すごいな(笑)。自分たちで話してきたけど、「霊園作りの話をしてるアイドル」って初めて聞いたね。
いや、老人ホームのあたりからずっと「初めて」でしたよ(笑)。