アオキユウ&赤木一之が選ぶ2025年ベストワン!
PROFILE
アオキユウ
ガラスガールのデスク。『週刊プレイボーイ』(集英社)などでアイドルを中心にインタビューや映像制作を行なう編集・ライター。連載『奥津マリリはビールが飲みたい。』『新居歩美コラム あゆちのあたまの中』を担当。
アオキユウが選んだのは……Perfume『巡ループ』
振り返れば2000年代から延々と繰り返されてきた、「Perfumeはアイドルなのか?」という論争。確かに、今のシーンにおける(ガラスガールが取り上げる)アイドルとはまったく違うことをやっている存在ではあるが、彼女たちの源流はアイドルにあり、本人たちも今なおアイドルを信条のひとつとして掲げている。よって、ここでも「Perfume=アイドル」として綴らせてほしい。
“彼女たちは人間なのか、ロボットなのか? そしてこの世界でどう生き抜くのか?宇宙を舞台に繰り広げられる「架空のSF映画」のサウンドトラック”といったコンセプティブな2枚のアルバム『ネビュラロマンス』前後篇。そのラストを締めくくるのがこの『巡ループ』であり、それはPerfumeが一度フィナーレを迎えるための楽曲としてもふさわしいものだった。
東京進出にオリコン1位、東京ドームワンマンに世界進出……そんな叶えてきた夢もあれば、頓挫した目標もある。彼女たち自身のキャリアを優しく振り返るようなAメロがあり、五行思想のごとく人生を四季にたとえながら、そのすべてを肯定するサビ。珍しく入る泣きのギターソロを経て、代表曲『ポリリズム』のフォーメーションの後、彼女たちは一冊のアルバムを閉じる……という振付。“架空のSF世界”でありながら“現実のPerfume”とリンクする構造のライブ演出も含めて、楽曲、歌詞、振付、どの視点で見ても美しい集大成だった。
何より、この『巡ループ』は彼女たちのボーカルが非常に生っぽい。代名詞のひとつでもあったオートチューンの和らぎは、彼女たちが結成25年という時間の中で成熟しながら、30代後半の女性として“ニン”を周知させた今だからだろう。
個人的な話だが、自分はこの生業を立てる前、Perfumeのとてつもなく長いMCをひたすら手書きでメモしては、インターネットの海に放流するということを趣味でやっていた。それは「こんなに面白いトークや人柄はもっと知られるべきだ」と思っていたからで、彼女たちはそういう意味で自分の原点である。
不必要かもしれない横道にそれてしまったが、彼女たちがキャリアの(一旦の)ゴールとして本来に近い歌声に辿り着いたのは、「アイドルとして、人間として、心底美しいことだ」と、青春時代の自分と今の自分がともに感じている。
赤木一之が選んだのは……きのホ。『傾いてる』
きのホ。の好きなところは「人間味があって日常に寄り添っているところ」「歌声に感情がのっているところ」なので、そこがスッと入ってくるしサビのメロディがきれいでなんだか泣きそうになったので選出しました。
「明るいニュースを集めてあなたに届けたい」「今が一番若いと気づいたよ」「落ち着いてみよう 勘違いかもね 深呼吸しよう」とか、安心感があったり背中を押してくれたりするような歌詞も影響しているのかも。
最初、タイトルの「傾いてる」は、性格や思想的なことで「傾いてる(偏ってる)人がいてもお互いが認め合うことも大事だよね」っていう曲だと思っていたら全然違って……。人や物に気持ちが傾いてるという片思いのような曲だそうです。
どちらにせよ、出だしから温かく平和な曲で、こういう世の中だったらいいだろうな思いました。振り付けもキャッチーで元気があって覚えやすそうだし幼稚園とかでちびっこと一緒に踊ってほしいです。
