電音部の楽しみ方
エリアチェーン制度について、「基本的には、エリアチェーン制度を使いたい運営さんから問い合わせがきて、エリアと方向性、誰がプロデュースするのかとかコンテンツの中身の話をする」と話す子川氏。
その上で、それぞれのパートナー企業が独自のプロデューサー、楽曲、イラストレーターを起用し、エリアを展開・運営。メンバー選びやリリース時期、対バンやイベントにもバンナムはほぼ関与せず、各運営に任せているそう。そのため、全エリアが集まるのは電音部の周年ライブの時くらいだとか。
自由裁量が大きいながら、全エリアにちゃんと「電音部」のハンコがブレずに押されているのは驚きだが、どんな共有がなされているのだろうか？
「プロデューサーさんの手腕ですね（笑）。それと、各運営には電音部の世界観がブレないよう、100ページ以上の設定資料を渡しています」（石田氏）
100ページ以上もの設定資料とは……。店舗のフランチャイズの資料レベル！ 世界観がブレないのも納得だ。
「苺りなはむさんは我々よりもダンスミュージックに詳しいですし、電音部の中でも超本格的でドープなダンスミュージックを作っています。マスピの“令和トランス”という切り口も面白い」（子川氏）
アイドルファンからすれば、現役や元アイドルのいるグループから聴くのが王道かもと思うが、それ以外に電音部を楽しむ方法はあるのだろうか？
「今年3月に開催した『電音部 4th LIVE』では、アイドル感の強い『IDOL FORCE HARMONY』、バキバキでハードスタイルな『FORTRESS OF CHAOS』、小説を読むとより楽しめる初期5グループによる『MUSIC FOR LIBERTY』と、キービジュアルも異なるテーマ別公演を行いました。ここから好みのテーマを拾って楽しむのも良いと思います。あと、ディープオオクボエリアのBellemuleもアイドル対バンによく出ているので、チェックしてみてください」（子川）
プロジェクト開始5年目でアイドルシーンにも電音部の音が浸透してきているようだ。最後に、今後の展望を聞いた。
「初期5エリアに関しては第2部まできているので、第3部の作品作りを進めています。新しい展開に期待してください」（子川）
Xを見ていても常にどこかしらのエリアの情報が上がり、新しいサウンドをリリースし、目まぐるしい活動を続ける電音部。これからの動きにも注目だ。
取材／成松哲 文／赤木一之
