若手ピン芸人の代表格でありながらライブアイドルシーンを最も広範囲かつディープに見ている著名人と言っていい存在の寺田寛明。今一番アイドルを語れる男が、シーン最先端をオフビートかつリアルに語る連載の記念すべき十回目。
以前から「変わった場所でやるライブはほぼ確実に面白い!」と主張していた寺田さんですが、毎月一緒にトークライブをやっているお馴染みのアイドルグループ“グデイ”と、そのメンバーの室井ゆうさんがプロデュースを手掛けるグループ“ねおち”が、9月21日に銚子電鉄の動いてる電車の中でライブ!? 奇祭の予感!! 「これは行くしかないでしょ!」と現地取材の敢行を決定!

あわや遅刻の大ピンチ!!!
しかし予想以上に銚子は遠かった……。
東京から特急で2時間半、普通だと3時間以上! そして何と当日朝、臨時列車の運行によるダイヤの変更で、寺田さんが千葉から乗る予定の電車に乗り遅れ!! 次の電車だと正午着で万事休すかと思いきや……。寺田さんからの連絡で「くさのねフェスで知り合った人が千葉に住んでいて、車で乗せて行ってもらえることになりました!」。そんなことあります!? 現場のオタクの絆ありがた過ぎ! 結果、ライブ列車出発の2分前に銚子駅に滑り込み! ガチのギリギリ!!! 記者と全速力で跨線橋を上下して、何とか間に合ったのでした。

電車は、昭和のヴィンテージ感に満ちた2両編成。主催の方のご挨拶の後、すぐに“ねおち”のライブがスタートしました。開幕曲は『星重力街人々価値運命花信号』!



- 寺田
いや〜面白かったですね! ねおちって、今までライブ見たの2、3回なんですけど、普段はすごい世界観造り込んでるじゃないですか。
曲も高度で尖ってるし、振り付けも舞踏のような感じですからね。
- 寺田
照明とか演出とかもしっかりしてて……。それを動いてる電車の中でやるってなったときに、ライブハウスで見てるときの印象と全然違って、異様な空間過ぎて、始まった瞬間は、「これ、どうなるんだ!?」って感じだったんですけど(笑)。周りは自然の風景で、電車が進むにつれて、森に入った瞬間に暗くなったり、抜けたらパッと明るくなったり、変化があってすごく良い空間になっていって!!


自分たちもMVの中にいるような感じがありましたね。
- 寺田
そう! フォーメーションとかも縦長の空間をうまく使うように考えられてて、今日のためにちゃんと練習したんだろうな〜って思いました。他のライブでは絶対使えないフォーメーションなのに(笑)!
そして当然電車だから揺れるので、それを意識した動きになってたりとか、ズレちゃって思わず笑ったりとか、普段の完成されたステージでは見れない素の表情も垣間見れて、そこも良かったです。あと床にうずくまる振りがあるんですけど、電車の中でやると完全に終電間際の電車で調子悪くなってる人にしか見えなくて(笑)、笑っちゃいましたね!

たっぷり10曲披露で満足度大! 銚子から終点の外川までは通常だと約20分なのですが、往復してくれる感じでした。そして次のグデイは、『GOOD DAY!!!!!!』スタートで最初から車両の中を走りまくり、飛ばしまくり!