INTERVIEW

INTERVIEW

卒業前夜の渡辺萌菜が語る“次の道”を決めてからの1年間「アイドルにはキラキラできる瞬間があるのを知っているから。マイナスな感情なんて抱けなかったです」

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やっぱり私はこれが好きだな

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以前のインタビューで「もともとは裏方志望だった」という話をお聞きしましたが、やはり卒業後は裏方になるんですか?

  • 渡辺

    はい。自分の理想の形としては“表に出ている裏方”なんですけど、自分が今の「やりたいことを発信できる人」になれたのって、このグループやファンのみんなの存在のおかげなので。“表に出ていたい欲”があるというよりは、裏方になってもその過程を見てもらって、何かを一緒に作っていきたいなって思っているんです。だから発信し続けるための“表”というか。

最初に話していた「みんなに作ってもらった“もえなす”は終わりにしたくない」ですね。卒業発表当日、「私の譲れないものは、このグループに一番良い影響を与えられる自分でいること」「それを踏まえて、グループやメンバーをサポートしていく」と綴っていましたが、かすテラの裏方に?

  • 渡辺

    厳密にいえば、「かすテラの外に出て、外で裏方を学びつつ、またグループに携われる自分になって帰ってきたい」ですかね。もともとは「自分でグループを作る人になりたい」という思いだったんですけど、新しい夢も生まれたので。

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新しい夢?

  • 渡辺

    自分の気持ちがプツッと切れちゃったときに考えたんです。「自分と同じようにこういう状態になって、それを公表したり、それで引退されたりするアイドルさんがたくさんいる。でも多分、公表せずに裏側で耐えながら頑張っている子もいる」って。

    ……今、“アイドル”っていう目線を知っている人で、アイドルのそういうケアをしている人って少ないと思うんです。だったら、この感覚を経験した自分なら、きっと同じ状態の子と共感できることってたくさんあるし、そのサポートができるようになりたい。それがもうひとつの夢になりました。

たしかに、元アイドル以上にアイドルの心を理解できる人って考えられないですもんね。

  • 渡辺

    そうですね。以前、江嶋綾恵梨さん(元26時のマスカレイド/現在は自身のヨガスペースを持ち、講師として活躍)と対談したときに、えじちゃんも体調不良を経験して、ヨガや心理カウンセラーの勉強をしたってお話を聞いたのも大きいです。自分もいつか、えじちゃんみたいに誰かを支える団体を作りたいって気持ちもあるんですけど、まずは芸能と向き合う人にどんな形でサポートができるか、それを探していきたいなって。

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そしてまた、かすテラに携われるように、と。グループでの経験をもって、アイドルでなくなってもグループ、はたまたアイドル業界のために動こうとしている……アイドルの目指すセカンドキャリアとしてすごく素敵ですし、“献身性の塊”だった渡辺さんらしいです。

  • 渡辺

    嬉しいです……(笑)。別の話になっちゃうかもしれないんですけど、こう考えるようになったのは、昨年の9月頃に比賀ハルが休養したのが大きくて。

比賀さんですか。

  • 渡辺

    比賀ハル自身が「本当は出たい」「休みたくない」と思いながらも、長期的なことを考えて、悔しい気持ちを抑えてお休みに入ったときに……比賀ハルが帰ってきやすいように、比賀ハル推しのみんなが寂しくならないように、SNSで比賀ハルについての発信を増やしたことがあったんです。そのときに、「やっぱり私は、誰かの良さを見つけて発信することがすごく好きだな」「ここにやりがいを感じるんだな」って気づいて。

    きっとそれがみんなが思う“もえなす”だし、この気持ちを燃やして、かすテラや、アイドル業界が盛り上がるために動いていくのが、私の次の道だなって思っています。

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