今年もそろそろ終わります。そんなわけで、今年もやります! ガラスガール編集部の10人が、今年リリースされたアイドルソングの中からそれぞれのベストワンを選出! ガラスガール的「2024年の最強アイドルソング10選」を決定しました。
今年のアイドルソングを振り返りながら、2024年を締めくくりましょう。
篠本634と関根弘康が選ぶ2024年のアイドルソング
PROFILE
篠本634
著書に『AKB48ヒストリー~研究生公式教本~』『乃木坂46物語』(集英社)、『HKT48成長記 腐ったら、負け』(角川春樹事務所)など。ガラスガール編集局長。編集、インタビュー、グラビア、連載『吉川友の試みのおからパウダー』を担当。
篠本634が選んだのは……真っ白なキャンバス『今日がとけたら』
真っ白なキャンバスが、7年間の活動に終止符を打った2024年11月4日。その一週間前にMVが公開されたのが、この『今日がとけたら』。
彼女たちの7年間。その物語を振り返ったとき、たくさんの辛いことがあったろう。いろんな種類の涙があったろう。でも、この曲は、「そんなことはどうでもいい。ただただ、ありがとう」という気持ちと、「明日に向けて歩き出すから、今までの7年間を超えて、夢を描くから。だから、また会おうね」という、まっすぐな気持ちが描かれている。
終わりを目の前にして、その言葉を歌う。とても大切な場所だったから。心の中に別れが広がると涙が溢れちゃうから。「別れよ もう少しだけ 出てこないでよ」「もう少しだけ ここにいたい まだいいよね?」と、メンバー同士が視線で語る。
すべての言葉がすべて本当で、メンバーの気持ちが流れ込んでくる。曲中、メンバーがひとりずつ入れ替わりで歌う歌詞は、まるで叫びだ。7人の違う声質が描く最後の色。
「僕は 言える 僕に なりたい」「僕が 描く 夢を 見たい」「僕は 僕を 超えて いける」「僕は きっと 飛べる はずだ」「僕は 進む 僕は 逃げない」「逃げない」
聞いている間、ずっと涙が流れていた。
そして、あまりにもストレートで、あまりにも単純な言葉で締めくくられている。
「ありがとう」「大好きだ」「また会おうね」「また会おうね」
今年、一番、心をエグられた曲。同時にアイドルというものを、もう一度考えさせたれた曲でもありました。
PROFILE
関根弘康
2000年代よりAKB48グループを見続けるライター。ガラスガールでは48グループ記事や、松村香織連載などを手がける。アイドルはもちろん好きだが、その取り巻く環境にも深い興味を持っている。肩書はガラスガール編集長だが、あまり細かいことを知らない。
関根弘康が選んだのは……AKB48『カラコンウインク』
AKB48に17年在籍し、今年の4月末で卒業したレジェンド柏木由紀のラストシングル。曲は作詞・秋元康、作曲・井上ヨシマサという、『大声ダイヤモンド』、『Everyday、カチューシャ』など、日本の音楽史に残る名曲を生み出したゴールデンコンビが手掛け、振り付けはAKB48の黄金期から仕事し、現在はイコラブやノイミーなども手掛ける武田舞香。
楽曲はもう何も言わなくてもいいくらいなのだが、このMVに彼女のアイドル人生がギュッと詰まっている。あの頃を感じさせる華やかさに、過去のヒット作を思わせる動きもあったり、参加した後輩メンバーがAKB48の歴史を追体験できる作品に仕上がっている。
中盤で柏木が現AKB48グループ総監督・倉野尾成美に渡す花束は、未来へのバトン。受け取った倉野尾の表情にも注目です。ラストは柏木由紀のアイドルの代名詞でもあるウィンク。ウィンクを見て涙してしまうのは私だけではないはずだ!