COLUMN

COLUMN

寺田寛明の2万6千500歩/第六回 2025年のアイドルシーンに向けての本気メッセージ! 脱メタ曲! 脱武道館! そしてあったかくして寝ろ!!

terada__06_01

武道館が成功の象徴になり過ぎている!

terada 06 06
  • 寺田

    あと最近思ってるのが、アイドルにとって、武道館でライブするっていうのは実は悪手じゃないのかという。

マジですか!? 地下地上問わず8割のアイドルが目標として掲げてる気がしますけどね。もはや成功の象徴というか。

  • 寺田

    そう! あまりにも成功の象徴になり過ぎてて、でも冷静に見ると武道館をやった後に、うまく先に繋がっていったグループってすごく少ない気がするんですよ。ふるっぱーはもう完全に通過点の1つという感じだから別格として。

確かに、2024年のライブアイドル界下半期最大のニュースは“武道館に立ったその週に3人解雇”でしたからね……。

  • 寺田

    それもあったし、ほとんどのグループがちょっと無理して頑張って行く感じじゃないですか。その結果、埋まらなかったらそこでメンバーもオタクも限界が見えちゃう気がするし、埋まったとしても、あまりにも武道館がゴールになりすぎてるから、そこでストーリーが一旦終わっちゃう感じがあると思うんですよ。だからchuLaみたいに、武道館のあとメンバーも一新して、事務所も変えてリスタートするしかない、みたいな。

    ここまで武道館がアイドル界共通のゴールになっちゃうと、武道館を目指さない方がグループの未来のためには良いんじゃないか。もちろんAppare!は、1回台風で延期になってリベンジってすごいドラマがあるんで、それを超えて行って欲しいですけど。「TIFのメインステージに立って〜、武道館に立って〜」っていう以外の成功のパターンをそろそろ見つけなきゃいけないんじゃないかっていう。

terada 06 07

しかしそれ以外の道っていうのが現状なかなか想像できないのもありますよね。エウロパデリックが武道館じゃなくてコーチェラフェス(今年YOASOBIが初出演したアメリカ最大の野外音楽フェス)を目指してたのは面白かったんですが、解散しちゃいましたし。

  • 寺田

    確かにそうなんですけど。でも新しい学校のリーダーズは武道館行かずにコーチュラ出てるわけだから、荒唐無稽な話ではない。あとこの前“寺田とアイドル運営渋谷会議”ってイベントを、NUANCEのフジサキさんときのホ。の新井ポテトさんとピューパ!!の中山さんと室井ゆうさんでやって、その後の打ち上げでたまたま近くにいたSITUASIONのプロデューサーのヨロコビさんが合流して、初めてヨロコビさんとちゃんと話したんですけど、めちゃくちゃインパクトがあったんですよ! 「世間に評価されるのはダサい」って言ってましたからね!

スゴ過ぎる(笑)!

  • 寺田

    でもあのSITUASIONの尖りまくった作品の内容とか活動の方向性を見てるとものすごく納得感があって。Zeppだ武道館だとかは一切言わずに、いきなりドイツツアーやっちゃうわけじゃないですか。しかもそれでしっかり現地の集客もあったっていう! やっぱこれからは、それくらいの発想の転換が必要なんじゃないかと思います。

terada 06 08

PROFILE

寺田寛明

てらだ・ひろあき
1990年10月6日生まれ。埼玉県出身。AB型。身長170㎝。2021年〜2024年『R-1グランプリ』に4年連続決勝進出。現役塾講師。X(公式Twitter)は芸人用とオタ活用(@tottemogenkiman)がある。

オフィシャルホームページ

https://www.maseki.co.jp/talent/teradahiroaki

取材・文/山下剛一 撮影/白木淳也