INTERVIEW

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初防衛戦直前!アイドルとプロレスラーの二刀流! TOKYOプリンセス・オブ・プリンセス王座を初戴冠したアップアップガールズ(プロレス)の渡辺未詩インタビュー

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六本木駅に降りた瞬間、「嫌だ、行きたくない!」ってなってました

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晴れて合格となりましたが、それからアイドルのレッスンとプロレスの練習が同時に始まった感じですか。

  • 未詩

    アイドルのほうは、合格が決まって2週間後くらいに@JAM EXPOのステージでデビューすることになってましたし、オーディションの時点で『アッパーキック!』という持ち曲が出来ていて、これは華々しいスタートだ! くらいに思っていたんですよ。

    ステージデビューの時には、(仮)さんと(2)さんも応援に駆けつけてくれて、お客さんもたくさん声援してくれて、「これが私の見たかった景色だ!」と感動しました。

    でも、その時から『アッパーキック!』の歌詞がちょっとおかしいなとも思っていて(笑)。「ロープ 反動 ラリアット」とか、知らない言葉が出てくるし、「決めてやんぜ!」とか勢いがすごくて。それに振り付けも激しいというか、ほぼエクササイズなんですよ。

確かにアップテンポで脚を上げまくって、運動量がすごそうですよね。

  • 未詩

    後半は体力なくなって、キックの脚が上がらなかったりするんですよ。当時のアプガ(プロレス)のメンバーは、歌って踊るということが誰も未経験だったので、 その自分たちの不甲斐なさに落ち込んでたんです。でも、最近は他のアイドルさんとか、(仮)さんや(2)さんと一緒に『アッパーキック!』を歌う機会もあるんですけど、「よくこんなの踊ってるね」と言われるくらいの激しさみたいで、私たちは大変なことをしてたんだな、と……。

普通のアイドルと思ってたら、ちょっとおかしなことになってますね(笑)。

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  • 未詩

    でもアイドルにはなれたので、それは嬉しかったんですよ。でも、8月の最後の週にデビューして、9月に入ってからのスケジュールが全部プロレスの練習(笑)。社長に聞いてみたら、アイドル活動は一旦置いといて、プロレスの練習をしなさい、と。「君たちがデビューしたように、マイクを持ってステージに立てばアイドルにはなれる。でも、プロレスはすぐにリングに立ったからといってプロレスラーになれるわけではない」という説明を受けて、それから半年間はプロレスの練習だけになりました。

アプガよりも、(プロレス)の比重が大きくなってきたんですね。

  • 未詩

    アイドルのドキュメンタリーをよく見てたので、スタジオでダンスの練習を汗だくで頑張っている姿とかに憧れていたんです。でも自分は道場で、ホコリまみれのマットでトレーニングしていて、あれ、私何してんだろうと思って。ステージでキラキラの汗をかいてるアイドルを目指してたのに、こんなホコリまみれの場所で汗かいてどうするんだろう。もう1ミリでも筋肉がつく前に辞めて、王道アイドルのオーディションを受け直した方がいいんじゃないかって。

未詩さんは、いまではすっかりパワーファイターのイメージですけど、トレーニングや肉体改造には葛藤があったんですね。

  • 未詩

    もともと筋肉質な体型がコンプレックスだったので、 筋トレはやりたくなかったんですよ。だから、もらったプロテインをこっそり捨てたりとか。

捨てちゃだめですよ! ワルい練習生ですね(笑)。

  • 未詩

    ジムで飲みなさいって提供されるんですけど、「時間ないので後で飲みます」って持ち帰って、そのまま捨てるっていう(笑)。いまでこそフィジカルブームですけど、その頃は普通の女の子がプロテインを飲んで鍛えるとかあり得なかったんですよ。そんなに鍛えたら、ただでさえ筋肉質な体がどんなになってしまうんだろうって、もう恐怖感でいっぱいでしたね。

ジムではフィジカルトレーナーの足立光さんから指導されてたと思うんですけど、いかがでしたか。

  • 未詩

    あの頃は足立先生のこと、大っ嫌いでした(笑)。ずっと怒られていたし、もう怖くて怖くて…… 。ジムが六本木にあったんですけど、駅に降りた瞬間、「嫌だ、行きたくない!」ってなるんですけど、歯を食いしばってなんとか辿り着くんです。それだけでも自分の中では「よし、頑張った」という気持ちなんですけど、足立先生は「なんでそんな暗い顔してるんだ?」と、まずその態度から怒られるという悪循環で(笑)。

    トレーニング中も、もっとこうしなさいと指導していただくんですけど、そもそも鍛えたくないというのがあるから、ぜんぜん気持ちが入ってなくて、そういう心構えの部分からいつも怒られていました。

目標がまったく噛み合ってないですからね。

  • 未詩

    足立先生や、事務所の社長の山田さんは、アイドルとプロレスラーのどちらも見てきているから「アップアップガールズ(プロレス)」とはどういうモノなのか、というものが見えていたと思うんですけど、当時のメンバー4人は、アイドルかプロレスのどっちかしか知らなかったので、全然そのイメージを共有できなくて。そのあたりがもっと早く理解できていたらどうなってたんだろうというもありますし、逆にあの嫌だった期間があったからこそ、こうやっていま頑張れるというのもあるのかなと思いますね。

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