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新居歩美コラム「あゆちのあたまの中」vol.3★“M”のある生活

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こんにちは! ドラマチックレコードの赤色担当、あゆちこと新居歩美です。

コラムのお話をいただいたときに「冬は大好きなM-1があるからそれについて語りたい」という発言したところ、担当の方がそれを覚えていて下さり、今回はM-1について語ることのできるご褒美回です。とはいえ、芸人さんでも作家さんでも取材陣の方でもなんでもない、ただのお笑い好きのアイドルがM-1について皆目見当違いな事を書く、ということはしたくないので、M-1を受けてのアイドル(私)という内容で書かせていただきます。

これが配信される19日は準決勝までが終了し、過去最多のエントリー数8540組から決勝進出9組、敗者復活の21組が出揃い、24日の敗者復活戦/決勝戦まで残り数日のドキドキな日!

私は賞レースはどれも好きなのですが、中でもダントツで追ってしまうのはM-1グランプリ。漫才師達の磨き上げられたネタはもちろんですが、M-1の規模感だからこそできるコンテンツ量! ありがとう吉本、ありがとうABC。

降り注いでくる多量すぎる漫才の供給を寝不足になりながらいただき(3回戦の動画は視聴期限があるうえに376組も公開されていました)、『M-1グランプリ2023完全ガイドブック』まで購入。追えるだけ追い、あとは決勝を楽しみに待つのみです。

私のM-1歴は意外と浅く、ちゃんと見始めたのは2021年。ランジャタイのYouTubeにハマりそこから決勝を観てM-1ってすごい……!となりました。

お笑いの話をすると「自分お笑いでそんなに笑えないんだよねー」と言う方もいらっしゃるのですが、お笑い好きでない人が笑えないというのはよく聞く話で、実際お笑いは観れば観るほど解像度が高くなりどんどん面白さが増していくものだと思います。

私はハマりたての頃に、お笑い好きな方からとある芸人さんのネタを教えて頂く機会があり拝見したのですが、ちんぷんかんぷんで何が凄いのかわかりませんでした。その時、「あの人は、自分の世界での面白いの数が多くて羨ましい」と思いました。面白い!凄い!と思うことや、笑顔になる回数が多ければ多いほど絶対に人生は豊かです。そこから私は感性をお笑いに傾けよう!とネタを求めて劇場に通い始め、お笑いに関する心がどんどん柔らかくなっていくのを実感しつつ、世の中はこんなに面白いが溢れているんだ!と思いました。

M-1はこの感動を何度も思い出させてくれます。

メディアでの発言しか知る由もない、本心を知ることのできないいちお笑いファンの意見ですが、M-1の漫才師達の良いところは「全員ぶっ倒してやる」というような闘志を感じるところです。準決勝以降だと特に強くそれを感じます。

ネガティブに比較するわけではなく、私を含めアイドルは自信がない方が多いように感じます。ファンの応援が必要不可欠な性質上、そういった姿をファンは支えたいと思うのだけど。

アイドルのひとりの少女がファンと支え合い駆け上がってくシンデレラストーリーも、漫才師がマイク一本でぶち倒していく少年漫画も私は好きだし両方味わいたいです。

普段ネガティブで自信のない私もM-1の時期は全員ぶっ倒してやるんだと思いステージに足を運びがちです。

「何もないのなんて当たり前なんだからもっと自信持って良いや」って思える時期です。たまにライブをする会場で神田スクエアホールというのがあるのですが、そこはM-1の3回戦の会場でより一層その気持ちが上乗せされます。

漫才師は年に一度(他の賞レースを入れたらもっとあるけど、アマチュア含め本当に全員に参加資格があるとするなら)、 M-1で実力勝負があります。普段、事務所柄露出が少ない漫才師も面白ければ注目される機会です。今年でいうと学生お笑いでアマチュアのナユタやスタミナパン(面白すぎた)はかなり大きな爪痕を残していると思います(もっと掘るとピ夜とかも)。

じゃあアイドルは?というと、ないんですよそういう大会が。

私はアイドルにもM-1のような大会があっていいなと思います。事務所のパワーや動員を抜きにした全アイドルのライブ決定戦みたいなものがあったら面白くないですか? 自分の歌やダンスに自信があって言っているわけではありませんが、そんな大会があったら私は夢中になってしまいます。きっと今のアイドルシーンはもっと面白くなる。

私はアイドルも芸人さんみたいに第〇〇世代があると思っていて、今は超SNS世代。Z世代層にフィーチャーした時代になっていると思います。ならM-1みたいな大会があればもっと見つかるもっと評価されるグループが出てくる。チェキ収入がメインのライブアイドルとして合理的ではないかもしれませんが、私はそんな面白いコンテンツを観たいです。偉い人! やって!

M-1は胸を熱くし、瞳の奥に闘志をくれます。M-1で戦う漫才師達を見ていると「私だってぶっ倒してやりたい」と早くステージに立ちたくなる。M-1を観たあとに自主練の予約をしていたり、筋トレをしていたり、極秘分析ノートにアイドルのことを書き始めていたりもしてる。

そしてM-1は他漫才師を蹴落とすのではなく、仲間同士で認め合うのも良いところです。悔しいけど面白い!と切磋琢磨し合う姿が大好きです。一種のスポーツマンシップ。私も凄いアイドルを見た時は悔しさで目を瞑りたくなるのですが、M-1のおかげで認める事が出来ます。認めると良いところにも気づけるし、盗んで自分のものにできたらむしろお得です。M-1に出会ってなければきっと私はもっとつまんないアイドルでした。アイドルと全然違うジャンルだけど勝手に感化されて、勝手に人生の道標になっています。そんな大会、本当にすごい。

応援することで成長できるのが良い推しなのだとしたら、私はもはやM-1推しです。

決勝戦当日は友人3人に前々からクリスマスパーティーに誘われていたけど、M-1がクリスマスイブに決まったので断ってしまった! 7時間観るぞ! そのあとはアフター番組も観るぞ!

【今月のあゆち】

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そういえば髪を切りました! この長さは小学生ぶり! かなり大きな決断!

PROFILE

新居歩美(ドラマチックレコード)

6月28日生まれ、香川県出身。身長148cm、血液型O型。
ドラマチックレコードの赤色担当。冠ラジオ番組『新居歩美の番台さんラジオ』(FM高松・毎週水曜23:00〜)放送中。
2024年1月9日(火)、グループ初の全国流通CD『君はソナチネ』をリリース予定。1月14日(日)の大阪・Yogibo HOLY MOUNTAIN公演を皮切りに7大都市ツアー「ドマはじめちゃおっツアー」を開催予定。

オフィシャルホームページ

https://twitter.com/DMRC_info

文・イラスト/新居歩美