「そうか、私はアイドルにはなれないんだ」
今回、インタビューさせていただくにあたって鈴木さんのプロフィールを見直したんです。“バスガイドとして就職していたが、アイドルになる夢を諦めきれずアップアップガールズ(プロレス)の新メンバーオーディションに応募して合格”。あらためて見ると、不躾ですがかなり疑問が湧くプロフィールだなと思いました。
- 鈴木
いや、おかしいですよね(笑)。なんか全部辻褄が合わないというか。「疑問しか湧かないよな」って自覚はあります。
そんな不思議な経歴を辿っていければと思っています。いきなりですが、小さい頃はどんな子でしたか?
- 鈴木
5人姉弟の長女で。なんですけど、あんまり「お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい」とは言われずに、のんびりと好きなことは何でもさせてもらってた感じです。たとえば習い事とか。私、小学校から高校まで10年間、吹奏楽部でトランペットをやってたんですけど。
ずっと吹奏楽部だと、たしかに運動とは無縁ですね。
- 鈴木
でも私、その頃から辻褄が合わないというか(笑)、結構いきあたりばったりなんですよ。音楽科がある高校に通って、部員が70人くらいいる吹奏楽部に入って。当時は音大を目指してたんですけど。でも、トランペットのパートの中でもソロがもらえるか、もらえないかみたいな感じで……「芸術って努力じゃどうにもならないのかな」って挫折をしてしまって。
なるほど。
- 鈴木
で、音大が難しいなら就職しようと思ったんですけど、学校の先生はわりと進学を進めてくれて。「じゃあ進学しよう」、「国語が得意だから文学部だ」って、軽い気持ちで地元の短大に行ったんです。それからだいぶ端折りますけど、母が昔やってたバスガイドに、私もたどり着いて。去年まで3年間働いてました。
だいぶ端折りましたね(笑)。今のところ話に出てきていないですが、“アイドルになる夢”はいつ頃抱いたんですか?
- 鈴木
アイドルには小さい頃からずっとなりたかったんですよ。物心がついたときにはモーニング娘。さんが好きで、3歳から母に『恋愛レボリューション21』のCDを買ってくれってねだっていて。
ずっと「プリキュアみたいなかわいい存在になりたい」「アイドルになりたい」って意志はあったんですけど、それを表に出すのも恥ずかしかったし、頑張って言ってみてもみんな「いや、なれないよ」って否定的だったし。私が静岡住みだったからなのかもしれないですけど。
「ああいうのは東京の人がなるものだよ」みたいな。
- 鈴木
そうなんです。で、「そうか、私はアイドルにはなれないんだ」って思いながら、なりたい気持ちは捨てきれずにいて。結局、学生時代はAKB48、SKE48、NMB48、HKT48と、当時好きだった48グループのオーディションだけを受けてました。本当にアイドルになりたいなら、もっといろいろ受けるべきだと思うんですけど、私は「本当に行きたいところだけを受けたい」って。今思えば「そりゃ確率低いよな」って思います。