「アイドルをやりたいから東京に転籍したい」
先程「昔から乃木坂46が好き」と言っていましたが、アイドルになる前は「坂道オタクだった」と聞きました。
- 麦
そうですね。コスプレをしてライブに参戦したり、コピーグループを結成して、メンバーを決めてプロデュースというか、どんなことをするか決めたり。グループでは振りコピ動画を撮ったり、ロケ地に行ってアー写を真似て写真を撮ったりしてました。
すごい。コピーグループ自体は数多くありますけど、そのリーダーが今アイドルとして活動しているとは。アイドルに興味を持ったのは坂道から?
- 麦
いや、物心がついた頃から好きでした。モーニング娘。、AKB48、乃木坂46、欅坂46、日向坂46って、王道ばかり通ってきて。AKB48さんからは「秋元康先生のファン?」ってくらいに秋元先生のグループを追ってきました。坂道シリーズは楽曲、ビジュアル、すべてがタイプで箱推しです。
オーディションを受けたことも?
- 麦
実はあります。なんですけど、合格することなくそのまま社会人になって。地元が北海道なんですけど、北海道のお菓子屋さんで働いていました。
あ、社会人を経由してる方だったんですね! その頃にはもうアイドルを諦めて……?
- 麦
はい。でも、入社試験に作文があったんですけど、そのときから「私は御社のアイドルになります」って書いてたり、店長になってからも本社会議で「アイドル接客」なるものを作ってプレゼンをしてました。
アイドル接客? どんなプレゼンをしたんですか?
- 麦
世の中にはたくさんのお菓子屋さんがある中で、家からちょっと遠くても「“このお店”で買いたいんです」ってお客さんはいるじゃないですか。だから男女問わず、「“この人”から買いたい」って思ってもらう“アイドル接客”もいいんじゃないかって。なおかつ授業員も、自分の周りで働くスタッフも自分のファンになるくらいの接客や店舗作りを目指しましょう、とか。パワポ1級持ってるので、しっかりプレゼンしました(笑)。
面白い! 麦さんのアイドル愛もしっかり伝わりそうな取り組みです。でも、一度はアイドルになることを諦めているわけじゃないですか。そこからどういう流れで?
- 麦
欅坂46の『サイレントマジョリティー』で人生が変わったと思います。もう働き始めてたんですけど、仕事でつらい思いをしたら『サイマジョ』を聴いて自分が平手友梨奈さんになった気分で、人混みをかき分けながら歩くシーンを想像して。そうやって気持ちを強くしてたんですけど。
聴いているうちに、「私はこんなんじゃない」「私らしく生きるんだ」って奮い立たされて。大好きな会社を辞めてこの道を選びました。
おぉ。一念発起して夢に。
- 麦
はい。夢のために上京したけれど、もう駄目かなって諦めていたときにチャンスが巡ってきて、新しいアイドルグループを立ち上げて。そのグループは約10ヵ月で終了したんですけど、それから今に至ります。