どっちかっていうとマリリさんタイプだったんです
具体的に、マリリさんが後輩ふたりに対して悩んでいるのは?
- マリリ
何か話し合うときの言い方とか、求めるタスクの量とか、ですかね。アイドル経験がない子たちに対して「これはハードルが高いのかな」とか、「逆に低すぎか?」とか。頭がパンクしないように、しんどくならないようにってするのって、ちょっと難しいなと思うんです。
で、エビ中さんを見てて「いいな」と思ったのが、新しい世代だけでリリイベ周りとかをしてるじゃないですか。ああいう挑戦させるアイデアも、すごく勉強になるなって思ってました。
- 真山
嬉しいです。ちょうど今、「武者修行フリーライブ」って形で低学年メンバーに回ってもらってるんですけど、あれはお姉さんメンバーの発案から校長が実現してくれたもので。
- マリリ
先輩メンバーたちの提案なんだ。
- 真山
ですね。やっぱり先輩と後輩でやってきたものが10年分くらい違うので。曲への思い入れとか、ライブの熱量とかも違っていて。同じように、彼女たちだけで思い入れを作ってみてほしいっていう気持ちが一番強くって。
たとえば、エビ中には「6人時代」と呼んでる……廣田あいかというウチのシンボル的な存在が卒業して、一度楽曲性を重視したアルバムを出してた時代があるんですけど。彼女たちはその時代の曲がどうして誕生したのかも知らないし、何かやらないと知りようがないって思って。だから「1曲だけでいいから、ライブの中にその時代の曲を入れてほしい」とも発案したりして。
ライブに挑戦させると同時に、曲の背景を感じ取れるタイミングも作る。後輩を思ってすごく考えたんですね。
- 真山
でも私たちが後輩たちに何か教育をしてるかというと……そういう提案しかできてないかもです。教育は結局、ダンスの先生や歌の先生とか、プロの方がやってこそだと思うので。「見てくださる方を笑顔にするために考えなさい」とかしか伝えてないですね。
- マリリ
なるほどぉ……。
- 真山
思うのは、いろいろ教えるためにはやっぱり自分がちゃんとしないといけないなって。私、どっちかっていうとマリリさんタイプだったんです、今まで。
- マリリ
へー! ……にゃんこにゃんこ?
- 真山
にゃんこにゃんこ系で(笑)。っていうか、マリリさんは突き詰めてますけど(笑)、私はもう、何言ってるかわからない、ちゃらんぽらんな感じ。頼りにならない先輩だったんですけど、去年、今までいろいろまとめてくれてた柏木ひなたが卒業して。これからは私が先輩として背中で見せていかなきゃみたいな……私も最近悩んでるんですよ。
- マリリ
そうなんですね……。こんな真山さんでもまだ悩むことがあるんだ。
- 真山
悩んでます。メンバーだってやっぱり人間と人間なので、私の何気ない一言で傷ついてしまったらどうしようとか、落ち込ませたらどうしようとか。世代が違うからこそ、どう伝えたら正解なのかも悩みますよね。
でも、マリリさんから見た真山さんはすでに「完璧な頼もしい先輩」なわけで。柏木さんが卒業してからの時間と新しい立場への慣れが、“先輩力”を高めたのかもしれません。
- 真山
嬉しいです。でも本当にそうです! いっぱい失敗もしてきましたけど、「今、この子は何が一番ほしい言葉なのか」とか「今、グループに必要なのは何なのか」を考えて話すことはだんだんと増えてきました。
- マリリ
だから全部の言葉が優しいんだなあ〜。今、真山さんと接してて嫌な気持ちになる人は絶対にいないし、不安な人でも解きほぐす力を感じるし。これがエビ中を背負ってきた人の人間力なんだなあ。