患者さんもファンの方も不安にさせない
アイドルを目指すにあたって、「表舞台に立ちたい」「目立ちたい」という気持ちもありましたか?
- Yukino
元々人前が苦手でそういうのはなかったですが、看護師の時に先輩に、「患者さんの前にいるときは自分は女優でいなさい」って言われたことは、アイドル活動にも通じていると思います。どれだけ疲れていても患者さんの前では「疲れた」と言えないし、患者さんがツラい思いをしていて自分も一緒にツラいと思っていても泣いちゃいけない。
患者さんの前でもファンの前でも、不安にさせないこと、キラキラしていることが大事と。それもホスピタリティですね。
- yukino
そうですね。でも、デビュー直後は歌もダンスも未経験で立ち位置も覚えたてで。ステージ上からお客さんを見る余裕も全くない。ファンの方にも、「デビューして最初の頃はずっと下向いていたよね」って言われて心配をかけていました(笑)。デビューから半年くらいで前を見られるようになって、1年経ってようやく楽しみながらライブができています。
デビューまでの練習期間も短かったのでは?
- yukino
3月までは看護師をして、4月にステージデビューって感じでした。1ヶ月間、夢アドさんのカバーを練習したんですけど、働きながらだと全然練習できなくて。あの時は基礎もわからず、全く歌えて踊れていなかったなあと思います(笑)。
勤務期間中にライブの練習をしていたとは、それもまたハードですね(笑)。あと、あってはならないですけど、元看護師さんがいるとライブ中に体調崩した人がいても助けられそうだなと思います。
- Yukino
冷静に対応できるよう、応急処置の方法は忘れないようにします(笑)。
最後に、注射は得意でしたか?
- Yukino
毎日何本も採血とかルートをとっていたので(ルートをとる=点滴などのために血管に針を刺すこと)、結構慣れているとは思います。うまいかと言われると1年間しかやっていなかったのでそうではないかもしれませんが、コロナ禍で患者さんが多かった分、同じ1年間でも通常より3倍くらいは採血もルートもとっていたので、回数には自信があります(笑)。筋注(=筋肉注射)、皮下注(=皮下注射)とかも入れると1日5〜10回かな。健康な人であれば、血管を見つけたりは普通にできますし、手技は覚えています!
血管見つけたり注射してほしいファンの方が増えそうですね(笑)。
- yukino
そういう声もいただきますが、できません(笑)。
取材・文/赤木一之 撮影/高澤梨緒