こんにちは! ドラマチックレコード赤色担当、あゆちこと新居歩美です!
今回いただいたテーマは「声」。「声」という一文字でも、歓声や応援、評価など、向けられるものだけでたくさんの種類があります。さまざまな声に向き合い、今日もあたまの中を書き出したいと思います。
私がでんぱ組.incさんがきっかけでアイドルを目指したことはよくしゃべっていると思うのですが、アイドルになる前、でんぱ組さんを知っていく中で『W.W.D』の相沢梨紗さんの“マイナスからのスタート、舐めんな!”というセリフにすごく心を打たれたのを覚えています。
あまりにかっこよくて、脳内で簡単に再生できるほど聴いたその声は、今の「アイドル・新居歩美」を作る要素のひとつにもなっていると思います。
そんな風に「声」や「言葉」は、ずっと何年も誰かの心に残り続け、ふと振り返ったとき、自分を形成する一部になっちゃっていたりするんです。
好きなアーティストの歌に救われたから、その一曲があったから、頑張れた1日があったり。
素敵な言葉をかけてもらったから、俯かなかった帰り道があったり……。
私はかなり情緒が揺るぎやすいタイプなので、そうやって受け取る言葉ひとつで自分の気持ちや行動も変わってきます。
「声」と一括りにしても、私たちは「耳」で受け取るだけではなく、メッセージを「目」で見て一喜一憂したりもします。
特にファンの方の言葉というのは思っているよりちゃんと届いていて、かけてくれた素敵な言葉を思い出しては自分の自信に繋がったり、いただいた手紙を何度も読み返したりするのです。
毎日、毎秒のようにファンの方の応援に支えている私ですが、そのメッセージの中には逆に私に支えられてるんだって方もたくさんいて。「退勤後、ライブであゆちに会えるからお仕事頑張れたよ」とか、「あゆちのおかげで毎日楽しいよ」とか。
そして中には、「あゆちが特典会で褒めてくれたから自分のその部分を好きになれたよ」とか、「あゆちの歌詞に救われたよ」など、私の「声」で支えられたなんて言葉もあって。
それこそ、こういうコラムを読んで、あゆちの生い立ちや人生観で影響を受けてくれた方もいて。私自身、めちゃくちゃ未熟だし上手く言葉にできないことも多いけれど、誰かの声で救われて、自分の声を信じてきた人生だから。私の声が誰かにポジティブに働いていたらすごく嬉しいし、そんな影響力に見合ったアイドルになりたいと思います。
そしてかしこまった言葉じゃなくても、何気ない言葉でも、素敵な発想で誰かを救える人になりたいとも思うんです。
2年前、約1週間後に20歳の誕生日を迎えようとしていた時期。
前のグループで最年少担当だったこともあり、今以上にロリっぽさや少女感を自分自身に求めていたし、求められていると思っていた私は、「ハタチになる」という大人の階段を上ってしまうことがあまりに受け入れられず、誕生日まで最悪で憂鬱なカウントダウンの日々を送っていました。
そのとき、当時のマネージャーさんが元気のない私を見て軽く笑いながら、「東京でちゃんと働いて暮らせて、世間からしたらもう大人かもしれないけど、ハタチになることを大人だって思っている時点で、まだまだ歩美ちゃんは子供だよ」と声をかけてくれました。
その方にとっては本当に何気ない言葉だったのですが、その言葉でびっくりするくらい霧が晴れたのです。一個の視点でだけ物事を見ていた自分の幼稚さ、まだ(少なくともこの人の前では)子供でいていいんだという気づき。
そのマネージャーさんは結局、数ヵ月後にさようならも言えずに退職してしまったけど、毎年誕生日には彼女の事を思い出します。
私も何度か特典会で「あゆちが笑い飛ばしてくれたから笑顔になれた」と言ってもらったことがあって、その経験のことも思い出しながら、日常で誰かの悩みをそっと拭ってあげるような人になりたいなと心から思っています。
そんなふうに、誰かの些細な言葉で気持ちが軽やかになることもあれば、誰かの軽い悪意の声で心が真っ暗になってしまうこともあります。
私はいわゆる“表舞台の人間”というやつだから、いつだって「悪意を向けられて当然」と思うようにして心を守っているし、今後、大きくなればなるほどそんな声は増えていくものです。
現代社会は、悪意のある声を誰もがどんな距離感の人にも届けられちゃいます。職場の人に嫌なことを言われていたり、知らないアカウントから嫌味が送られてきたり。そんなふうに、表舞台に立たない人にも武器のような声は存在してしまいます。
一生誰かからの声で傷つきたくないし、私の大事な友達やみんなも一生傷ついてほしくないと思っています。
私の好きな曲のひとつ、二丁目の魁カミングアウトさんの『耳をすませば』にこんな歌詞があります。
その時僕は言ったんだ「気しなくていい」と
ある時わかった僕は 気にしないなんてことは
出来ないんだって気付いた 心が痛い“
初めて聴いたとき、「少女」にも「僕」にも自分が重なって泣いてしまいました。
自分にとっては刃物のような言葉を気にしないなんて、やっぱり無理で。
私はそんな中でも、自分を支えてくれる声を聴いて、そして自分の声で誰かを支えて。
目に見える、わかりやすいものじゃないけれど、どこかの誰かとまた今日も明日も、一緒に支え合っていたいと思うんです。
初対面のアイドルさんに「コラム読んで感動しました」と言ってもらうこともわりとあって、そんなふうに自分の知らないところで自分の「声」が誰かを救ってるかもしれない。
私も「実は貴方に救われています」なんて伝えてない相手だっているし。
素敵な声をこれからも誰かに届けて、だから素敵な声が届いていくような、毎日にしたいな!
そうなっていたらいいな!
【今月のあゆち】

最近は帽子ブームです!
このクマさん帽子お気に入り!
もこもこの帽子いっぱい集めたいな〜
PROFILE
新居歩美(ドラマチックレコード)
6月28日生まれ、香川県出身。身長148cm、血液型O型。
ドラマチックレコードの赤色担当。グループの楽曲『陽炎』『夜空のよすが』『メインキャスト』『朱夏は微熱』『500光年の恋』『世界から恋が消えたら』『ランナー』の作詞を手がける。冠ラジオ番組『新居歩美の番台さんラジオ』(FM高松・毎週水曜23:00〜)放送中。
11月25日(火)、東京・Kanadevia Hallにて3周年ワンマンライブ『ドラマチックシンデレラ』を開催予定。
オフィシャルホームページ
https://twitter.com/DMRC_info文・イラスト/新居歩美
