ガラスガール NEXT

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【マンスリーアイドルコラム No.022】透色ドロップ 瀬川奏音 #1「生き急ぐ私」(2月金曜担当・全4回)

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毎月さまざまなアイドルがフリーダムに執筆する、ガラスガールNEXT「マンスリーアイドルコラム」。本日より、新たに「2月金曜」の枠を担当するのは、透色ドロップ・瀬川奏音

彼女のコラムは本日7日、14日、21日、28日と、全4回配信。

来週以降のコラムはぜひ、ガラスガールNEXTへご加入を。

じっとしていられないのです

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 はじめまして! 2月金曜日の「マンスリーアイドルコラム」を担当させていただくことになりました、透色ドロップの瀬川奏音と申します!

 私の名前を、いったいどれくらいの人が知ってくださっているのでしょうか。コラムを書くのは初めてでとても緊張しております。ここで軽く、自己紹介させていただきたいと思います!

 「音楽が好きな子に育ってほしい」と名づけられ、“初めてつかまり立ちをしたときにはおもちゃのマイクを握っていた”という、伝説の音楽の申し子です。………誰にもツッコんでもらえないところでボケてすみません。

 3歳から英会話、6歳からピアノ、10歳からそろばんと水泳を習わせてもらいました。中高は吹奏楽部です。なんとなくかっこいい気がして理系に進み、大学では遺伝子工学を専攻しました。

 アイドルっていいなと思いながらも勉強一筋の人生でした。大学3年生の就職活動中に偶然透色ドロップの広告に出逢い、人生で受けたオーディションは後にも先にもひとつだけで、今に至ります(拾ってくれて本当にありがとうございます)。

 なんとなくイメージはついたでしょうか。こんな私ですが、3月末をもってグループを卒業し、4月からは次のステージに進みます。この1ヵ月間、コラムを通して頭の中を少し覗いてもらい、読んでくださったあなたの心に何かを残せたら幸いです。最後までお付き合いよろしくお願いします!

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 さて、初回のテーマは「生き急ぐ私」です。

いき-いそ・ぐ【生き急ぐ】[動ガ五(四)]

限りある命を急いで終えようとするかのように生きる。

世にあるのがほんの短い期間であるかのように忙しく生きる。

 何を隠そう、今回担当者さまとテーマを考えていくにあたって、この言葉が特に印象的だったそうです。ここで私のSNSを振り返ってみようと思います。

「最近は曲を聞いても1回歌詞を見ながら鑑賞してインプット完了!で放置。いつからこんな生き急ぎオバサンになってしまったのだ」(23歳・アイドル)※2023/5/30の私です。

「珍しくアニメを見て漫画課金したら夜になった。これで1日無駄にしたと感じた私は生き急いでいる」(23歳・アイドル)※2023/7/5の私です。

「来世は猫がいいけどよく生き急いでいると言われる私には暇すぎて無理かもしれない」(24歳・アイドル)※2024/6/6の私です。

 ……しっかり言っていました。

 ほかにも心当たりはあります。例えば、ドラマや映画や小説、あらゆる作品を素早く吸収すべく奮闘します(ただし失敗はしたくないので結果的に量は厳選されています)。

 寝ている時間はもったいないと感じています(とはいえ、結構寝ます)。

 テレビやYouTubeを見るときは、手元を持て余してもったいないので、必ず洗い物か洗濯物をやっつけます。

 現代人特有の「気づいたら縦型ショート動画に数時間溶かしてしまった」といった現象に抗うため、ネットサーフィン中はせめて脚だけでもとストレッチを始めます。

 そしていっぱいいっぱいになってしまったときは、意識的に「“何もしない”をする日」を作るようにしています。

 では、なぜ私はこれほど生き急ぐ人間になってしまったのでしょうか。遡ること幼少期。私はどうして生きているのか、迷える子羊でした。

 両親は非常に厳しく、100点を取ることは当たり前。だけど毎日生きているだけで、ちょっとしたことで怒らせてしまう。一挙手一投足が、自分の存在が、家族を不幸にさせているのかもしれない。私は幼いながらに毎日そう思っていました。

 だけど私は、友人に恵まれました。学校の先生にも恵まれました。少し変わっている家族も親戚も大好きでした。生きているのが楽しい日々ではなかったけれど、誰も悲しませたくはありませんでした。

 本気で消えたいと思う夜もありました。だけど、人は誰しも、生まれたくて生まれてきた訳ではないと思うけれど、せっかく生まれてきたのなら、生まれてしまったのなら、この手で「生きていてよかった」と言える人生にしてやる、と強く思いました。

 私のバイタリティの根源は、こんな幼少期にあるような気がします。

 人生は有限です。じっとしていられないのです。

 今は、ひたすら吸収して、新しい感情に出会えることが楽しいのです。幼い頃に見た作品をもう一度見たとき、違う感情に出会えるように、昨日の自分よりも今日の自分が、より成長した存在になれているように。幼くてどうしようもなかった自分に、誇れる自分になれるように。

 年を重ねていつか“スーパーマダム”になれたら、そのとき私はどんな景色を見ているのだろう。どんな感情に出会えるのだろう。「生きていてよかった」と思える人生になるかどうかは自分次第。

 そんなことを考えながら、瀬川奏音は今日も生き急ぐのでした。

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PROFILE

瀬川奏音(透色ドロップ)

せがわ・かのん
1999年8月16日生まれ 三重県出身 身長162cm 血液型A型
チャームポイントは「えがお(特におくち♡)」。性格は「笑わせることが好き(ENFJ)」。
◯2021年4月、2期生として透色ドロップに加入。今年3月末での卒業が決まっている。
3月9日(日)、「ガラスガール3周年記念 ガラフェス〜かがやきJAPAN 真昼の青春セレナーデ〜」(東京・豊洲PIT)に出演予定。

オフィシャルホームページ

https://sukiirodrop.com/

文・写真/瀬川奏音(透色ドロップ)