10月6日(日)、静岡県静岡市で開催された「しずおか大好きまつり」。主催を音楽プロデューサー・ヤマモトショウ氏、公式アンバサダーをfishbowlが務めたこの“お祭り”には、音楽アーティストや漫画家、地元企業など、静岡にゆかりのある数々の出演者が登場。今年初開催のイベントとして、静岡の街を大きく盛り上げた。
祭りの「ねらい」と「応援企業」
今回の「しずおか大好きまつり」は、静岡市の中心部である「葵区」のメインストリート(青葉通り、呉服町通り、七間町通り、ARTIE)を会場に開催。昨年、ヤマモト氏をはじめとする実行委員会が掛川市で開催した「しず恋」のような“アイドルフェス”とは異なる、“街のお祭り”なのだという。
当日、ヤマモト氏は次のように語ってくれた。
「たとえばfishbowlが『Zepp TOKYOでワンマンをやります!』と発表したとしても、アイドルファンはきっと喜んでくれるけど、特にアイドルに関心がない方々からすると『Zeppってなんだっけ?』で終わっちゃうことだと思うんです。
同じように、単なるアイドルフェスを商店街で行なったとしても、アイドルファン以外からすると、自分たちの生活には関わらない“外のもの”になってしまう。だったら、静岡のほとんどの人が愛着を持って関わることができる“お祭り”で地元を盛り上げていくことにも意義があるんじゃないかと」
今回、メインステージのタイムテーブルにfishbowlをはじめとするアイドルのライブがなかったのは、そんな「アイドルファン以外を巻き込みたい」という願いが込められている。
「祭りには長く続く「伝統」が必要なので、最初から地元の皆さんに「自分たちの祭り」と思ってもらえるかというと難しいとは思います。ただ、fishbowlというグループが静岡県の内外で3年活動してきて、応援や協力をしてくれる方が増えてきて。であれば、それを軸にそういう祭りを始めてみよう、と」(ヤマモト氏)
fishbowlには結成当初から、多くの企業や地方自治体などがグループやメンバー個人を応援する“応援企業”という制度がある。企業の応援と聞くと「資金を出す代わりに、広告・宣伝効果を狙う」というスポンサー的な立ち位置を連想するが、この“応援企業”はそうではない。
今年の春にスタートしたポッドキャスト番組『fishbowlの“静岡と言えばなんですか?”』。fishbowlメンバーやヤマモト氏が応援企業からのゲストを交えて「静岡」について語るこの番組でも「(応援企業は)『契約期間の中でこれをやりましょう』と定めるのではなく、『静岡のためにこれから何かを一緒にやっていきましょう』という形でタッグを組んだ団体が大半」と語られていた。
当日も、会場のメインステージ以外の場所にはさまざまな応援企業や静岡県内の飲食店などがブースを出店。不定期ではあるがそこにfishbowlメンバーが登場するタイミングもあり、自身のファンはもちろん、メインストリートをたまたま通りかかった一般の人も楽しませていた。