かつては日本にしかいないと言われたアイドルだが、最近では台湾、インドネシア、ベトナムなど、アジア各地でも見られるようになってきた。その中でも、「今、一番熱い!」と言われるのがタイのアイドル業界だ。そんな「タイのアイドルの今」をお届けする。
はじまりはAKB48から。王女が恋チュンダンスを踊った!
国内に100組近いグループがいるとされ、日本のTIFにも参戦するなど、日々勢いを増している。そんなタイの最新アイドル事情を先日もバンコクやホーチミンに出かけるなど、アジアのアイドルに詳しいライターのアンチッチ氏に聞いた。
アジアにここまで日本スタイルのアイドルが広まったのは、国民的アイドルグループAKB48の影響と言われている。
「もともと流行に敏感なアジアのオタクの間で、日本のマンガやアニメと一緒にアイドルの文化が広まって、アジア各地にAKB48オタクが生まれたんです」(アンチッチ氏)
2000年代後半よりAKB48はアジアでコンサートを行なうようになり、オタクの数はさらに増え、2011年、インドネシアのジャカルタに姉妹グループのJKT48が誕生する。
「JKT48は握手会や総選挙といったAKB48のフォーマットをそのまま取り入れてインドネシアで人気のグループになりました」
アジア各地で48グループの誘致があり、2017年にタイのバンコクに誕生したのがBNK48だ。翌年『恋するフォーチュンクッキー』のタイ語バージョンが大ヒット。YouTube再生数は1億回を越え、タイのウボンラット王女までもが恋チュンダンスを披露。さらに第2の都市チェンマイを拠点とするCGM48が2019年に誕生。それと前後するようにいくつものアイドルグループが生まれた。
「現在のタイでメジャー級の活躍をしているのはBNK48とCGM48、PiXXiE(ピクシー)、あとラストアイドルのタイ版である、ラストアイドル・タイランドあたりでしょうか?」
そこに続くのは、Siam☆Dream(サイアムドリーム)やSora! Sora!(ソラソラ)というグループだとアンチッチ氏は語る。
「この2つがライバル関係になっていますね。Siam☆Dreamはもともと日本とタイの合同グループで、作曲家が日本人。TIFに出演したこともあります。今はセンターのICEちゃんがすごい人気。歌はうまいし、パフォーマンスもいい。水着姿も見せてくれる。さらにチェキのサービスも抜群でハグまでできちゃう。僕もイチ推しです。Sora! Sora!は坂道シリーズっぽいイメージですね。こちらはプロデューサーにまねきケチャなども手掛けていた末益涼太氏が入っています」