ステージに立つことが怖くなるような日もありました
芸歴1年目は、たくさんのライブを経験しました。ライブ後には事務所へ戻り、2時間ほどのミーティング。社長から厳しく指導され、何が正解か分からず、自分はダメなんだと落ち込むこともありました。「どうしたら人気が出るのか」「どうしたらもっと大きなステージに立てるのか」と悩み、眠れない夜もありました。家で一人で泣いて、それでも人前では笑顔でいる。そんな私を支えてくれたのが、ファンの皆さん、メンバー、事務所の方々、そして家族でした。
そして芸歴2年目、初めて『愛踊祭(あいどるまつり)』という国民的アニメソングのカバーコンテストに挑戦することになりました。

メンバー全員が学生だった私たちは、1日10時間以上のダンスレッスンやボイストレーニング、自主練を重ねました。動画を見返し、横や縦の間隔、フォーメーションまで細かく確認。涙を流しながら練習することもありました。

そして初出場で関西エリア代表決定戦を勝ち抜き、見事一位に。全国の代表が集まる最終審査、東京ドームシティホールのステージに立つことができたんです。

私たちは優勝を目指して毎日必死に頑張りました。
絶対に勝ちたい。ここまで頑張ったんだから、結果を出したい。そう思ってステージに立ちました。
でも、結果は優勝には届きませんでした。敗北で終わりました。すごく悔しかったです。
でも、本当に苦しかったのはそこからでした。
負けた悔しさをバネにして、その後もアイドル活動を続けました。ライブをして、練習をして、また次のステージに立つ。でも、なかなかファンの方が増えていきませんでした。
自分なりに頑張っているつもりなのに、結果につながらない。
「私の何が足りないんだろう」
「もっと頑張らなきゃいけないのかな」
「そもそも、私のパフォーマンスはちゃんと成長しているのかな」
そんなことを考えるようになりました。
何度も同じステージに立っているのに、自分のパフォーマンスがずっと同じところにいるような気がしてしまう。がむしゃらに前を向いてやっているのに、現実は自分だけ前に進めていない。そんな感覚でした。
そして、周りのメンバーを見ると歌割りが増えていました。
どんどん新しいことを任されて目に見えて成長していく。それが嬉しい気持ちももちろんありました。
でも、同時に心のどこかで比べてしまう自分がいたんです。
みんなは前に進んでいるのに、私は何をしているんだろう。
「私だけ置いていかれているんじゃないか」
そんな気持ちが日に日に大きくなっていきました。
応援してもらいたい。
もっとファンの方に来てもらいたい。
もっと歌いたいし、もっと前に出たい。
もっと前に進みたい。
そう願っているのに思うようにはいきませんでした。
頑張っても結果が出ない。
周りは成長していく。
自分だけが同じ場所にいるように感じる。
その繰り返しで少しずつ自信を失っていきました。
そしてある時
本当に全部を投げ出したくなりました。
「もう辞めたい」
そう思いました。
大好きだったはずのアイドル活動が、いつの間にか苦しいものになっていました。
ステージに立つことが怖くなるような日もありました。自分が何のために頑張っているのか分からなくなることもありました。
それでも、心のどこかではまだ諦めたくない自分がいました。
辞めたいほど苦しいのに、完全に夢を手放すこともできない。
その気持ちがずっと自分の中に残っていました。
今振り返るとあの頃の私は「頑張っているのに自分だけ前に進めていないように感じ、結果が出ないこと」が一番苦しかったんだと思います。
周りと比べて落ち込んで。自分を責めてそれでも次のライブに向かう。そんな毎日でした。
そんな「アイドルを辞めたい」と思っていた私に、社長は「次も愛踊祭に出る。そして、あなたをセンターにしたい」と言ってくださいました。その言葉に背中を押され、もう一度挑戦することを決意しました。
芸歴3年目は、2度目の愛踊祭へ。
