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新居歩美コラム「あゆちのあたまの中」vol.10★魔物を飼い慣らしたい

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 こんにちは! ガラスガールさんでコラムを連載させていただいています、ドラマチックレコードの赤色担当、あゆちこと新居歩美です!

 今年度も「あゆちのあたまの中」と新居歩美をよろしくお願いします♡

 今回のコラムのテーマは「ステージ」。「ステージの上で最期を迎えたい」なんて言葉があるほどいつの時代も誰かを惹きつけてやまない存在。そしてアイドルにとって毎日のように交わる存在。

 私も「ステージの上で最期を迎える」ということに憧れてしまう気持ちが日に日に分かってきているような気がします。

 私が初めてステージに立ったのは6年前。新メンバーとして加わった前のグループの新体制お披露目ライブ。会場は神田明神ホールでした。

 コロナ禍真っ最中だったので密にならないよう(密という響の懐かしさよ)間隔の空けられた全席着席のライブでした。

 一度もステージを経験したことのない私に、当時のプロデューサーさんはこう言いました。

「ステージには魔物がいるよ」と。

 その時はあまり意味がわかっていませんでしたが、当日の初舞台で魔物を経験したのです。30分が全てあっという間で、どこを見たらいいのか、今自分がどこにいて次はどこに行かなきゃいけなくて、どの動きをしているのか。鏡の前で何度も確認しながらできたレッスンのダンスとも、自分のテンポで繰り返し練習できていた歌とも、全く別物の歌とダンスが飛び出しました。

 それはそれは酷いものだったのですが、正直もっと悪い、パニックになって棒立ちの未来も考えられるほど、“魔物”でした。気を抜くと喰われてしまうんだと分かりました。

 こんな覚えたものを披露するのも精一杯の中、世のアイドルたちはファンを見つけ、ファンサービスを送り、噛まずに煽り、ほんの数秒の所作にこだわりを持っている……とんでもないと思いました。

 私は歌もダンスも天性のものは全く備わっていなかったので(運動音痴の歌音痴)、かなり時間がかかりました。たくさん迷惑おかけしました……。

 でも、時間がかかっても、日に日にステージでできることが増えていくたび、その魔物をどんどん自分に染めていくような感覚にもなり、どんどんステージの上での時間が好きになっていきました。

 そんな私がステージに立っていて気をつけていることは、観に来てくれている方を現実に戻さないことです。

 ライブはその人の日常を超え、魅了するものであるべきだと思っています。

 帰り道、また観たいなって思ってもらえたり、日常の活力になるようなものを届けたい。

 でもミスしちゃうと、お客さんがせっかくめちゃくちゃ気分を上げて曲の中に入り込んでいたとしても、「あ、ミスした」って一度熱を冷ましちゃうんですよ。

 ヒューマンエラーで一度もミスしたことがない!という人はかなり少ないと思いますが、一度しちゃったらもうしないよう、対策を練ったり家で試行錯誤したり、そもそも確認を怠らないようにしたり……。

 正直私、昔は「わ〜ミスっちゃった!はずかちー!」って感じだったのですが、今はステージへの価値観がかなり変わってきて。「ミスしたことが恥ずかしい」よりも「あの瞬間、いい流れをつくれていたのに、私のミスのせいで観てくれてる方の気持ちを落としちゃった」と、そっちの考えで落ち込むようになりました。

 ミスは気持ちじゃどうにもならない、ハプニング的なことでも起こり得ますが、気持ちが引き起こす「日常への引き戻し」もあります。

 例えばステージに立って客席をみたらフロアのお客さんが想像よりかなり少なかった時、ちょっと気まずい顔をしてしまう。こういう時って大抵お客さんも内心「あれ今日人少なくね……?」と思っていることが多いです。

 場所や客層、曜日や時間など沢山要因はあると思いますが、どんなに少数でも、どんなに自分目当てのお客さんが居なくても、落ち込む前に目の前にいるお客さんを、自分目当てじゃなくても今日ここに来てよかったと思わせるのがいいステージだと思います。

 ライブを見てるお客さんの脳内を「フロアの人数<ライブたのしい!」にするのです。僻地と言われる場所でのライブなど、ステージに立つ前に必ずこの気持ちを思い出します。

 いろんなステージに立って、いろんな景色を見てきましたが、何個か脳内に写真のように鮮明に思い出せる一瞬の景色なんかがあったりします。

 例えば、野外フェスでの人がずっと遠くまで居て、青空の下で一緒に汗かきながら楽しんでくれている姿。ペンライトいっぱいの景色とはまた違った、フェスだからこその感動があります。野外の開放感も好きなんだよなあ。今年は去年よりもっと、もっと! そんな素敵な景色を見たいな。

 アイドル視点のステージからの景色は見返すことができず、記憶に焼き付けるしかないのです。だからこそ楽しすぎる日々を、フロアにいるあなたの顔を焼き付けるような毎日です。

 スポットライト症候群という言葉があり、そこではスポットライトは比喩表現として使われていますが、私は本当にライトに照らされたステージの時間が生きがいです。

 毎日毎日、忘れられないステージからの景色で脳をいっぱいにしたい。

 どんなに活動の幅が増えても、アイドルとしてステージに立ってる時間が一番、新居歩美しているなと思います。だって心から気持ち良いんだもん! 私たちの作るステージをもっと知ってもらえますように。

【今月のあゆち】

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最近めちゃくちゃ髪が伸びています
ヘアアレンジが楽しいよー!
あとコテが使えるようになっていろんな巻き方挑戦中!
ロングが落ち着くなあ〜
ずっと黒髪アイドルだよ♡

PROFILE

新居歩美(ドラマチックレコード)

6月28日生まれ、香川県出身。身長148cm、血液型O型。
ドラマチックレコードの赤色担当。グループの楽曲『陽炎』『夜空のよすが』『メインキャスト』『朱夏は微熱』『500光年の恋』『世界から恋が消えたら』『ランナー』の作詞を手がける。
冠ラジオ番組『新居歩美の番台さんラジオ』(FM高松・毎週水曜23:00〜)放送中。ガラスガールでは『新居歩美コラム あゆちのあたまの中』を連載中。
4月19日(日)東京・The Garden Hallを皮切りに「全国&アジアツアー『晴天快晴』」を開催予定。

オフィシャルホームページ

https://twitter.com/DMRC_info

文・イラスト/新居歩美