ガラスガールNEXTでお送りする、毎月さまざまなアイドルが登場しフリーダムに執筆する「マンスリーアイドルコラム」。新たに3月金曜日を担当するのは、九州女子翼の実玖。
彼女のコラムは今月6日、13日、20日、27日の全4回配信。
ちなみに、火〜金曜それぞれ初週はガラスガールNEXTに未加入の読者も閲覧可能。来週以降はぜひ、ガラスガールNEXTへご加入を。
大切な人への手紙
今回3月金曜日の「マンスリーコラム」を書かせていただくことになりました、九州女子翼(きゅうしゅうじょしよく)の実玖です!
どんな内容にしようかとガラスガールの編集者さんとお話しして、各回1通ずつ“大切な人”へ手紙を書いていくことになりました!
アイドル引退が半年後に迫った今のタイミングだからこそ、私の気持ちを本音で書きます。そしてこのコラムでしか話さないパーソナルな部分にも触れようかなと思っています。
この機会に1人でも多くの方に“実玖”をより深く知ってもらい、実玖と出会えて良かったな、応援してて良かったなと、思ってもらえるといいな。
3月金曜日がみなさんにとってひとつの楽しみになって、そして、誰かの人生に少しでもプラスな感情を与えられたら私は嬉しいです。

まず1通目は、アイドルになりたいと思っていた“あの頃の私”へ。
* * *
大きくなったらね。アイドル、なれるよ。
今思い描いてる夢の半分は想像以上に叶って、その半分は想像以上に難しい。
それでも今の私は、アイドルになって良かったって心から思ってる。
こんな私のことを大好きと言って、応援してくれるファンの方がたくさん居てくれて、素敵という言葉では言い表せられないくらい大好きなメンバーが横に居てくれて、“アイドル”という職業を11年以上も続けることが出来るよ!
きっと5歳くらいの私が思っている“アイドル”とは違うかもしれない。でもね、大丈夫。ステージに立って歌って踊ることも、アイドルもずっと好きなままだよ。いや、もっと好きになってる。
ただ歌って踊ることが好きなだけなあなたがアイドルになり、いつの日かこの人達のために頑張りたいって思えるファンの方もメンバーもできるよ。

歌に音程があることも知らず、モーニング娘。さんをテレビで見て「みっちゅんもこれになる!」と言い、アイドルになりたいというか、なるっていう確信があったというか、自分はアイドルになるものだと自然に思うんだよね。
家の中ではラジカセを持ち歩きモーニング娘。さんの『シャボン玉』のCDを入れてどんな時も歌って踊って遊んでいるよね。
音楽に夢中になると飛び跳ねたり、ダンスが大きくなって。そのタイミングで床に置いたラジカセが止まるから「いいところだったのに〜」とムッとするよね。今思えば、この頃から没入型だったのかな。でも棚に置くとかそういう案は無いんだよね〜(笑)。

そこからダンスと歌を習い始めて。発表会とかでステージに立って歌って踊ることが、それを人に見てもらえることが楽しいって知って。大きくなればなるほど、ステージの上が一番自分を素直に表現出来るようになるよ。
今思えば、小さい頃から歌って踊っている時は堂々としてるタイプだったけど、その他は内向的で人見知りだね。
保育園の時なんて、門の前で大暴れして泣き叫ぶほど行きたくなかったし、小学生になっても全然学校行きたくないし、中学生になったら部活内でいじめられるし。
でもね。そんな時でも、歌って踊ることは楽しくてなんとかなるよ! 一瞬不登校になりかけるけど(笑)。あと、驚くことにその時々で私を助けてくれる人が出てくるよ。
そんなこんなで高校生になるの。
高校生になってすぐ、ふたつ大手事務所のオーディションを受けるよ。オーディションで東京まで行ったけど落ちちゃう。アイドルになることの難しさを感じつつも、なんでか分からないけど、「いつか私はアイドルになれる!」って思ってたから人生どん底ってところまで落ち込むこともなく……。
でも、もしアイドルになれなかったら手に職がある方がいいよねっていう理由で、高校は看護科に入るよ。ただ、これまた厳しくて……。高校3年間で看護師になれるように指導してもらうから厳しくて当たり前なんだけど、アイドルになりたい私にとっては、なかなか大変な日々がスタートします。
そんな私に転機が来るよ。歌とダンスのスクールで組んでいたグループが、アイドルグループとの共演決定! こんなチャンス二度と無いと意気込んで、当日を迎えるの。
そこで出会ったのが今の事務所。その共演をきっかけにスカウトしていただき、I'S9というグループに新メンバーとして加入するよ!
夢にまで見たアイドル活動。
アイドルになれるって決まったとき、ワクワクとドキドキとキラキラが止まらなかった。夢の中みたいに浮かれて、この瞬間が人生で一番わくわくしていたのかもしれない。


でも、家や学校は山口県下関市。事務所は福岡と、難しい問題も多かった。
事務所に入って1週間でお披露目ライブがあったり、約2ヵ月後には東名阪急ツアーがあったり。それまでに既存の曲15曲くらい覚えなくちゃいけなくて、それにプラスしてお芝居もあった。
慣れない環境の中、私が曲を覚えないことには何も始まらないプレッシャーと覚えることの多さに、行き帰りのバスの中では泣きながら歌詞や振り付けを覚えてた。
土日はライブでいろんな県へ行き、平日は朝から学校へ行き、放課後制服のままバスへ乗り、福岡の事務所へ向かい稽古をして、最終バスで下関に帰る。この期間が11年のアイドル人生の中でも一番大変だった。
アイドルになる前は毎日21時就寝だったので、21時以降も外に居る自分が不思議に感じるときもあった。
でも、この経験があったから今の私があるのは間違いない。成長もしたし、この期間も週末のステージが楽しくて楽しくて、アイドルになれたことが嬉しくてなんとか乗り越えられる。
とはいえ、活動を始めた途端に生活が一変して、学校は行くだけで精一杯。クラスメイトに恵まれて1年生はギリギリ終えたけど、2年生に上がるタイミングで普通科に転科する。誰にも相談せずに。
誰も反対しないから、親と事務所の人には先に言ってください。お願いね。

それから、がむしゃらにアイドルと向き合いながらも無事に高校を卒業して、たくさん笑ってたくさん泣いて解散やソロ活動を経験し九州女子翼になるよ!
年齢や歴も上でグループを引っ張る立場になり、そしてセンターという位置に立たせてもらえるようになるの。
今でも覚えていて、イントロダクションムービーを海で撮ってる時に、社長に並び順を言われるの。
「これからこの並びです」ってハッキリ言われたわけじゃないけど、その時に「この並び順がこれからの立ち位置になるかも」と予感がして、心臓がドンってなったことだけはずっと覚えてる。嬉しかったのか不安だったのか、よく分からないけど。
その予感が当たり、海で言われた並び順が立ち位置になる。

そこからずっと、グループの真ん中に立つ人として。ファンの皆さんからも、メンバーからも、事務所からも認めてもらえるようになりたい、ならなくちゃならないって悩んで行動してを繰り返す。
若さや経験の少なさから、自分に合わない方法でグループを引っ張ろうとして、上手くいかないこともあったし、グループと自分の優先順位を間違えて、自分自身のバランスが崩れそうになったときもある。
でも、そこからいろんなことを経験し、いろんな方の支えがあり、成長を重ねて自分のキャパを知り。どんな時も自分が一番にグループのことを考えることは出来るんじゃないかと気付いてから、気持ちが軽くなった気がする。あと「楽しむ」っていう気持ちが何より大切。そう思って行動した方がいい方向に進むことが多いと思う。
そして、いつの日か「どんな時もグループを良くしたい」っていう気持ちが自分の基盤になるよ。
メンバーとの別れや出会いがあり、またそこで個人やグループとしても成長し、今は「この4人とだからステージに立ちたい」って思えるほどの信頼を置けるようになるよ!
だって自分たちで胸を張って「良いグループだ!」と大声で言えるくらいのグループなんだもん。


だからね、あの頃の私!
アイドルにならない道はあまり考えてもないと思うけど、そのままで大丈夫。
今漠然と憧れてる“アイドル”という職業を胸を張って「なりたい!」って答えてね。
何年後かにかけがえのない人達に囲まれて、楽しくアイドルしてるよ!


* * *
1通目読んでくれてありがとう!
あの頃の私がこの手紙を読んで喜んでいたらいいな。
3月の金曜日は私からいろんな方へ向けて手紙を書きますので読んでもらえると嬉しいです!
あなた宛の手紙が、あなたへ届きますように……!

PROFILE
実玖(九州女子翼)
みく
10月1日生まれ、山口県下関市出身。血液型O型。
九州女子翼のエース。16歳から芸能活動を始め、これまでに10社近くのCMのイメージキャラクターを務める。
フジテレビ『この指と~まれ』出演の際、指原莉乃さんに「最近会ったアイドルの中で一番可愛い」と大絶賛され全国区に。TIF2021の企画、実写版『私、アイドル辞めます』の主演を務める。
文・写真/実玖(九州女子翼)
