プロデューサーから見た中国アイドルシーン
まずは、プロデューサーのシキさんに話を聞いていきます。なぜ、中国で日本式のアイドルグループを作ろうと思いましたか?
- シキ
元々、ニコニコ動画の歌い手や踊り手が好きで、中学生の頃に上海で「赤飯とピコ」のライブを見た時に「音楽が国境を越えて国と国との架け橋になる」という考えに共感して。日本のライブ文化やイベント制作を学びたくて、高校から大学まで日本に留学しました。
入り口はニコ動なんですね。
- シキ
私もオタクなので、留学中は週1でライブに行ったり、毎年朝イチでコミケにも行ったりしてました(笑)。そのうちアイドル現場にも誘われて行くようになったけど、コロナ禍になってしまって。2021年に中国に一時帰国したつもりが日本に戻れずライブにも行けないので、現地のオタクたちとイベントを始めました。
どんなイベントをしたんですか?
- シキ
最初は『ラブライブ!』の踊り手の人たちと二次元オタクのイベントを企画しました。その後、「アイドル対バン」がやりたくて、「究極Ultima」のチカちゃんがいたユニットや、結成したばかりの「StarWink」を誘って。当時は地下アイドルが少なかったので私も3人組の即席グループを作って出演しました。その時、最初にコピーしたのがGUCCHO先生の作った『3WD』(Task have Fun)です。

GUCCHOさんに後に楽曲提供してもらうことを考えると運命的ですね。その時の対バンが、今回の主催対バン『MoeTaibanLive』の始まりでしょうか?
- シキ
そうですね。そこからMTLという事務所を作って、アイドルグループもプロデュースするようになりました。4組プロデュースしていて、3組目がキャロルです。

「究極Ultima」は2024年に解散するまでは中国地下アイドルシーンのトップだったそうですし、「StarWink」も昨年のTIFに出演するほど人気があるので、シキさんも黎明期を築いた1人なわけですね。「アイドル対バン」をやりたかったのはどうしてですか?
- シキ
日本ではライブハウスに行けば同じ趣味を持った人たちがいるし実家みたいな安心感があってすごく楽しかったから。中国にはそもそも「対バン」という概念がなかったので、アイドルが気軽に出演できて、オタクにも優しい「対バン文化」を広めたいと思いました。
お客さんの反応はどうですか?
- シキ
やっぱり可愛いアイドルたちに会える機会がなかったので、そこから興味を持って来てくれて、同じ趣味の人たちが集まってわちゃわちゃできるのを楽しんでくれていると思います。
