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多くのアイドルが続々参戦。プロジェクト発足5年、電音部ってなんだ?

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エリアチェーン制度で規模を拡大

部活動だけあって、各エリアに「電音部」が存在し「STACKバトル(=DJバトル)」を繰り広げる(勝敗はAIの判定で決まる)。2020年の初期から登場しているのは、アキバエリア「外神田文芸高校」、ハラジュクエリア「神宮前参道學園」、アザブエリア「港白金女学院」、シブヤエリア「帝音国際学院」。この4つの学校からスタートした。

ハラジュクとアザブのキャラの声を担当するのは、元アイドルや、実力派の声優が名を連ねる。シブヤはVtuberを起用し、主にアニメカルチャーの文脈を取り入れたサウンドになっている。

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カブキエリア「真新宿GR学園」

スタートから2年後の2022年にカブキエリア「真新宿GR学園」が登場。ラッパーの吉田凛音、SONOTAと、マルチクリエイターの“をとは”を迎え、アーティスト色を強めた。

真新宿GR学園 1st Single [禁言] Music Video

様々なジャンルから声優担当を集めた展開について子川氏は、「ダンスミュージックシーンを盛り上げるためのタッチポイント・入り口を増やす目的もあって、元アイドル、声優、Vtuber、ラッパーたちを起用した。混ざり合えば面白いことになると思った」と話す。

こういった形で、「それぞれのエリアにある学校の“電音部”のキャラたちが部活動でDJをする」という設定。さらに、それぞれのエリアに付随した物語がコミックスや小説で展開。それらの内容の真ん中に、各電音部が歌う楽曲があり、多くリリースされている。

ここまで上げた5エリアの運営はバンナムだが、以降に登場する7エリアは運営会社が異なるというのが、電音部が打ち出した唯一無二な制度だ。これを“エリアチェーン制度”と呼び、2023年3月より始動している。

“エリアチェーン制度”とは、いわゆる店舗などの“フランチャイズ”のようなイメージに近い。電音部というプラットフォームの中で、バンナム以外の運営が、独自のメンバーにキャラを担当させて活動していくというものだ。

エリアチェーン制度から生まれたエリアは、「シンオオクボエリア」、「シンサイバシエリア」、「イケブクロエリア」、「ネオトウキョウエリア」、「ダイバエリア」、「ネオナカノエリア」、「シモキタザワエリア」の7つ。

冒頭で紹介したマスピは、シモキタザワエリア「北沢音箱高校」のユニット。ストーリー上は「シモキタの対バン文化が今も息づき、生徒間の対立は表現のぶつけ合いで勝敗をつけるストイックな校風」という設定で、マスピのリアルな活動とリンクしている。

苺りなはむはネオトウキョウエリア「東京電脳学園」のプロデューサー兼メンバーとして、ぁぃぁぃ、Ammyと活動。ようなぴは同じく苺りなはむプロデュースのネオナカノエリア「中野電脳学園」のメンバーとしてPOCHI、由莉子と活動している。

このように、エリアチェーン制度が始まったことによりアイドルが多く参戦し、電音部がライブアイドル業界に大きな風を巻き起こしつつある。

中野電脳 - WARNING IN THE GAME|25.03.08 電音部4thLIVE

エリアチェーン制度から生まれた他のグループは、アイドル経験者も多く、活動は活発だ。特に、東京電脳学園は今年3月から12カ月連続で楽曲をリリースしていたり、マスピはライブ本数も多かったりする。

また、10月には中野電脳とシンサイバシエリア「心斎橋演芸高校」のOKINI☆PARTY’Sはコラボ曲『そーれそれそれ そいそいや』をリリース。作詞・作曲にももクロやでんぱ組.incの人気曲を手掛けてきたヒャダインこと前山田健一を迎えるなど、勢いは増すばかりだが、バンナム運営の5グループは、母体として、エリアチェーン組の勢いに飲まれるような危機感はないのだろうか?

「初期5エリアがストーリーラインのため、しっかり物語を練る時間を設けて、小説の進み具合で楽曲も展開していきたいなと。逆に、他のエリアが楽曲を出していることで、電音部全体としては常に動いている状態が作れています」(石田)

自然と相互補完ができているようだ。ストーリーラインである小説は現在、第1部が4巻(4章)、第2部が最終話25話まで、コミックは16話まで続いている。コミックはなんと全話無料! 部員集めから始まり他校との勝負や友情が描かれる王道パターンではあるが、絵に臨場感もあり確かに続編が楽しみになってくる。