私が卒業したら新しいNMB48になる。その中で正解を探してもいい
アイドルとしてどんな考え方で生きてきましたか?
- 川上
このメンバーには何が負けているんだろう? 何が違うんだろう? そういう考えをしてきました。たとえば、どこかへロケに行くお仕事があって、自分が呼ばれなかったとしたら、私は何が足りなかったんだろうって。
参考書があるわけじゃないから、攻略するのが難しいですよね。
- 川上
そうなんです。釣りキャラを狙っても先輩は超えられないんです。先輩たちが強かったから、その攻略に13年もかかりました(笑)。自分は何で突出できるのだろうかって。
野球好きというキャラクターを得ただけで立派だと思いますよ。NAMBATTLE2では1位に輝いたのは、自身を見つめ続けた成果かもしれません。
- 川上
あの時は嬉しかったです。本当は叫び倒したかった(笑)。
壇上のスピーチも野球に因んだワードを入れてきましたね。
- 川上
あれは先輩から学びました。どうしたら見出しになるのかって。先輩はそういうことを楽屋でひたすら考えていたんですよね。その姿を見て育ったので、自然と身につきました。
後輩が受け継いでくれるといいですね。
- 川上
今は真面目であることが正義だと思っているメンバーが多い気がします。もっとわがままでもいいし、欲を出してもいいと思います。先輩方はもっとはちゃめちゃでした(笑)。横一列で歩くのもいいけど、はみ出したら目立てますよね。最近、そんな話を優ちゃん(石田優美)とこじりんとしていました。私がいるうちに変わってくれたらいいんですけど……。一方、今のメンバーの良さもあると思います。私が卒業したら、新しいNMB48になると思うので。その中で正解を探してもいいとも思います。
来年以降のNMB48はどうなるんでしょうね。
- 川上
彩さんの時代もこじりんの時代も見ている塩月希依音ちゃんがキャプテンになって、彼女なりの未来を想像しているんだろうなとは感じているので、楽しみにしています。
変わってほしくない部分は、面白いことをするということ。NMB48はおもろいのが前提ですから。変わってほしいのは、お休みを早く教えてほしい(笑)。
そこですか(笑)。
- 川上
あとは、歌を重視する環境になってきたので、全員が力を入れてほしいと思っています。ダンスはできるのが当たり前だけど、踊りながらしっかり歌えるようになってほしいです。
卒業後はどんな役者さんになりたいですか?
- 川上
私の憧れは高畑充希さんや柴咲コウさんです。高畑充希さんは舞台から始められて、歌もダンスもできる方です。柴咲コウさんの歌も素敵ですよね。両方できるのが理想です。
となると、ミュージカルにも出てみたい?
- 川上
はい。アイドルの歌とは発声法が違うけど、ダンスと歌が好きだからここまで続けられたので。歌に自信はまだないけど、上手くなりたいという気持ちは常にあります。まずは梅芸(梅田芸術劇場)のメインホールを目指したいです。そして、常に全国を回っているような人になりたいです。
NMB48の先輩でもある梅田彩佳さんはミュージカルの舞台に立っていますね。
- 川上
梅ちゃんは憧れの人です。『SHOCK』を見せていただいたんですけど、初めてメンバーだった人に憧れました。カッコいいです。
残るは卒業コンサートですね。
- 川上
はい。タイトルは「ラストイニング」にしました。野球ネタをたくさん入れ込みます。
最後は、バットを置いてステージを去るんですかね。
- 川上
そこはマイクを置かせてください(笑)。最後は“ホームラン”を打って、いい幕引きにしたいです。

PROFILE
川上千尋(NMB48)
かわかみ・ちひろ
1998年12月17日、大阪府出身。2012年、4期生としてNMB48入り。2016年、『僕以外の誰か』で初選抜。2019年、チームNのキャプテンに就任。2022年、「NAMBATTLE2~愛~」で1位に輝き、『好きだ虫』で初めてセンターに。2025年12月、NMB48を卒業する。阪神タイガースの熱烈なファンとしても知られる。
12月23日。『NMB48 川上千尋 卒業コンサート~アイドルちっひーのラストイニング~』が行われる。
オフィシャルホームページ
https://kawakamichihiro-rooms.fanpla.jp/取材・文/犬飼 華
