ガラスガールNEXTでお送りする、毎月さまざまなアイドルが登場しフリーダムに執筆する「マンスリーアイドルコラム」。今月より、火曜日・水曜日・木曜日・金曜日の4日間、4人のアイドルがコラムに登場です!
6月の火曜日を担当するのは、「アップアップガールズ(仮)」の青柳佑芽。
6月3日、10日、17日、24日……と、4週にわたって公開される彼女のコラム。初回は17歳当時の彼女が考えた思考について。
ちなみに、火〜金曜それぞれ1週目はガラスガールNEXTに入っていないすべての読者も閲覧可能! ぜひ、ガラスガールNEXTへご加入を!
過去の私を救ってあげられるような気がするんです
みなさん、はじめまして!
アップアップガールズ(仮)の青柳佑芽と申します。担当カラーは紫色、趣味は読書とアイドルを応援することとツインテール、特技は文章を書くとと写真を撮ることとツインテールです。
コラムを書くことが夢だったので、ガラスガールさんに素敵な機会をいただき、本当に嬉しく思います。みなさんの心に響く文章をお届けできるように頑張りますので、全4回、最後までお付き合いいただけると嬉しいです!

コラムのお話を最初に聞いたとき、アップアップガールズ(仮)は、ちょうど私以外のメンバーが卒業したタイミングでした。いつもの私なら、このコラムを目に留めてくれた全ての人がアプガを好きになってくれるように、グループの魅力を文字数全てを使って伝えようとしたと思います。しかし、今のアプガはグループの魅力を伝えようにも、メンバーが私以外いません。そんな今だからこそ書ける文章を模索した結果、アイドルとしての鎧を脱いだ、ただの人間としての青柳佑芽の言葉を伝えたい、と思い立ちました。
今この文章を書いているのはスマホのメモアプリなのですが、私は昔から、日常の少しの引っ掛かりがきっかけであれこれ思考が止まらなくなるタイプでして、結論の出ない問いに向き合った過程を言語化してメモアプリに書き溜める癖があります。数学の証明問題で途中式を全部書くような感覚です。15歳ごろから残し続けているメモは100を超えており、その中から今回のテーマをいくつか選びました。
このコラムは、過去の私が心のうちに秘めた疑問をあえて引っ張り出して、23歳の等身大の私が出せる答えを探す時間にしたいと思います。もしかしたら、私と同じような悩みを抱えている方にとっての道標になることができるかもしれません。そう信じることで、過去の私を救ってあげられるような気がするんです
まずは、自己紹介がわりに、漠然とアイドルになりたいと考えていたころの文章を引っ張り出してきました。書いたのは17歳の時です。この頃の私は好きなアイドルを応援することに没頭していて、生活の中心がアイドルでした(割と今もそうなんですけどね)。私から見たアイドルは、生きている世界の違う、アイドルになるために生まれてきた人種のことで、だからキラキラ輝いているのだと信じていました。アイドルになりたい、と思ってはいても、生まれた星が違うから無理だと初めから諦めていたんです。
それでは聞いてください、17歳の青柳佑芽による独白、「来世はアイドルになりたい」

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私はアイドルになりたかった。
将来の夢はピアニストとか、ファッションデザイナーとか、適当にごまかしていたが、本当はめちゃくちゃアイドルになりたかった。
物心ついた時から、私は自分がこの世界の主人公なのだと思っていた。だから、読んでいた本の主人公のように、可愛くて、優秀で、みんなから愛されると信じていた。でも、現実の私は男の子に遊んでいたおもちゃを奪われ、遊んでいる友達の仲間に入れてもらえず、毎日泣いていた。いつも、物語の主人公のように可愛くて愛されるのは私ではない女の子だった。私はそんな現実が受け入れられずに、本に没頭していた。
小学生のある日、テレビなどほとんど見ない私に誰かが言った。「えー、AKB知らないのー? 歌って踊るアイドルなんだよー! みんなキラキラしてて可愛いんだよー!」キラキラしていて可愛い。まさに私の理想とする生き方じゃないか。テレビでは、ミニスカートを履いた可愛い女の子たちがキラキラ歌って踊っていた。私はAKBが好きになった。私もAKB48になりたいと思った。
でも無理だった。お前なんかがアイドル? と誰かに笑われるような気がして、誰にも言えなかった。1度だけ、車の中で友達とアイドルの話になって、私もなりたいなぁと口から溢れてしまったことがあった。その時車を運転していた友達のお母さんに、「無理でしょ」と笑われた。
諦めた。やっぱり私は主人公じゃないみたいだ。高校生になって、メイクの勉強もたくさんした。毎日鏡を見ては、自分がアイドルになれる顔かどうか考える。考えすぎて分からなくなってきた。「来世はアイドルになろうね」って、アイドル好きの友達と約束した。来世はどうか、アイドルになれますように。
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信じられないかもしれませんが、この文章を書いた1年後に私はアップアップガールズ(仮)としてアイドルデビューを果たします。なぜこんなにも諦めていたのにアイドルになれたかと言いますと、アプガに推しがいたからです。オーディションを受けたら推しの古川小夏さんに会えるかもしれない、という不純な動機で応募してしまい、気がついたら合格していました。もっと真剣な気持ちで準備をして挑んだ方がたくさんいたであろうオーディションで、なぜ私のようなオタクが合格してしまったのか。いまだに少し疑問なところではありますが、きっと何も背負っていないが故に、等身大の私に可能性を見出してくれた人がいたのだと思います。
つまり、私はそのままでよかったのです。諦めてしまっていたあの頃の私に足りなかったのは、一歩を踏み出してオーディションを受けにいく勇気、ただそれだけでした。
アイドルなんだからこうしなきゃ、ああしなきゃと自分を律している時より、私は私のやりたいことをやる! と強い意志で行動している時のほうが上手くいく、というのが、私が4年間アイドルをしていて気がついたことです。どんな自分でも、ありのままであればあるほど肯定してくれるのがアイドルという職業でした。
今の私は、17歳の私と違い、アイドルは天職だと心から思っています。大好きなグループの歌を歌って踊って、かわいくあることが仕事だなんて、これほど幸せなことはありません。何よりアイドルの素敵なところは、そうして努力した分だけ認めてくれるファンがいることです。これはアイドルに限らず、全ての仕事がそうであると私は思います。「努力は必ず報われる」という言葉、私は嘘だと思っていますが、たとえ成果に結びつかなくても努力をどこかで見てくれている人は必ずいるということが、アイドルになってようやく分かりました。
アイドルというのは、応援してくれている人がいないと成り立ちません。絶対にアイドルになれないと思っていた私をアイドルにしてくれたのは、オーディションから今まで私のことを見つけて応援してくれたファンの皆様であり、今この文章を読んでくれているあなたです。
17歳の私には、「余計なことは考えずにとりあえずオーディションを受けてみろ!」と言いたいところですが、そうしていたらこのコラムを書くことも皆様と出会うこともできなかったので、過去の自分も肯定して生きていこうと思います。
長らくお付き合いいただき、ありがとうございました!
普段の私はこのように心のうちの内のうちをお聞かせするようなタイプのアイドルではないので、びっくりした方もいらっしゃるかもしれません。グループの転換期を迎えている今だからこそ、新たな一面として温かく見守ってください。
そしてぜひ、来週もお読みいただけると嬉しいです! それでは!

PROFILE
青柳佑芽( アップアップガールズ(仮))
あおやぎ・ゆめ
2001年10月26日生まれ、神奈川県出身。担当カラーは紫色。趣味は読書とアイドルを応援することとツインテール。特技は文章を書くとと写真を撮ることとツインテール。
オフィシャルホームページ
http://www.upupgirlskakkokari.com/文・写真/青柳佑芽( アップアップガールズ(仮))