誰も照れずに本気でやれるグループ

そんな流れでそれぞれ加入したタイトル未定。今の環境はどうですか?
- 多田
これまでひとりでタレントとしてやってきていたので、スケジュール感が全然変わったのはもちろんなんですけど。なによりグループ、5人で動くってすごく安心するなって思います。
「孤軍奮闘が前提」のソロタレントとはやっぱり違いますか。
- 多田
本当に。誰かに相談したり頼ったりできなかったので、自分で抱えるだけ抱えて「とりあえず頑張らないと……!」って走り続けてきて。加入して「あんまり悩まなくなったな」って思ってたんですけど、私、無意識でそれを最近まで続けていたみたいで。
先月のバンドセットワンマンの日に、(阿部)葉菜ちゃんが私に「もういいんだよ、ひとりじゃないから」って言ってくれて、一緒にご飯を食べながら泣いたことがありました。
- 山下
えぇ。そんなことがあったんだ。
※山下は怪我のためバンドセットワンマンは帯同せず - 多田
そう言ってもらえて今、さらに安心しているというか。私が困ったときにさりげなくフォローしてくれる人が絶対にいるし、逆に4人が困ったら、私も何かできたらいい……そんな関係性があるっていうだけで、感覚が今までと全然違いますね。居心地がすごくいいです。

いいお話です。山下さんはどうですか?
- 山下
私はあらためて「このグループ、好きだな」と思いました。表現が正しいかわからないですけど、魔法がかかったかのように、楽屋とステージで雰囲気が全然違うんですよ。それがいいなって。
- 多田
オンオフの切り替えっていうか?
まず楽屋の雰囲気からお聞きしましょうか。
- 山下
女子校です、女子校。
- 多田
うるさいんですよね〜……(笑)。
- 山下
お弁当ひとつあれば2時間しゃべっていられるんじゃないかって。葉菜ちゃん、萌加ちゃん、(谷)乃愛ちゃんの順番でおしゃべりさんですね。それを端から見ながらニヤニヤして、あとから混ざっていく私と(冨樫)優花ちゃん。

前体制のときも「楽屋がにぎやか」という話は聞いていましたが、今も変わらずなんですね。
- 山下
でも、本番10分前ってなったら、誰も「10分前だよ」「準備できた?」みたいな言葉もなく、それぞれがスッと楽屋を出ていって。
各々でスイッチを入れて舞台袖へ、と。プロですね……。
- 山下
その流れがすごくいいなって。タイトル未定、みんな“女子校”だけど“大人”なんですよね。
では、そこからステージに行くと?
- 山下
感覚ですけど、その魔法を自分にもかけてもらえる感じ。ライブ中、ちらっと見たときのメンバーの表情がめちゃくちゃカッコよくて、心の底から曲の世界に入り込んでいるのがよくわかるんです。……ファンの人にマウントするつもりはないんですけど(笑)、ファンの人よりそんな姿を近くで見ているから、私は4人からすごくパワーをもらっていて、多分、このパワーは5人の中で循環しているんだろうなって。
- 多田
でもわかるよ。たとえば優花ちゃんとか、後ろから揺れる髪の毛を見てるだけで「あ、今日の優花ちゃんのギア、すごいな」ってわかるし。
- 山下
優花ちゃんが特にすごい。気持ちの入り方がよくわかるし、歌にアレンジもよく入れるんですけど、彩耶、そこでドヤ顔しちゃいます。
あ、冨樫さんではなく山下さんが?(笑)
- 多田
メンバーがやったアレンジに、彩耶ちゃんにかぎらず他のメンバーがドヤってするという(笑)。
- 山下
「はい、来た。決まった――」(笑)。でも、そういうアレンジを誰も照れずに本気でやれるグループっていうのがいいんですよね。誰かが始めたら、みんなで「こっちのトーンね」って合わせていける、通じ合った感じ。すごく楽しいです。
