お守りみたいな存在になりたい
ドラえもんにハマったのはいつからですか?
- 御守
大学生の時にふと読み返してみたら、奥が深くて。そこからです。
一番好きな回とセリフを教えてください。
- 御守
「精霊よびだしうでわ」という回です。雪の精とか火の精を呼び出せる道具を使ってのび太くんが雪の精を呼び出して一緒に遊んでいたら風邪をひいて寝込んでしまって。雪の精がのび太くんのおでこに手を当てて、熱を吸い取ろうとするんです。でも、雪だから熱を吸い取ったら消えてしまう。
のび太くんが「君が消えちゃう」って止めようとするんですけど、そこで雪の精が「でもいいの、雪は消えるのが当たり前なのよ」って返す、そのセリフがエモくて。もう、爆泣き。

切ない……。何巻か覚えてますか?
- 御守
え〜、6か21だったかな。(21巻の16話でした。すごい!)
では、今一番欲しいひみつ道具は?
- 御守
「ねむらなくてもつかれないくすり」。寝なければ寝坊しないから。
ストイック(笑)。そろそろ時間になりますので、今後の目標を教えてください。
- 御守
デカすぎる目標で言うと、それこそ、ドラえもんの主題歌を担当したい!
おお〜。
- 御守
きのホ。は、歌詞が突拍子もなかったり意外性があったり、でも、身近なことを歌っていたり、そういうのがドラえもんの世界観に合うなあと思います。
例えば、どの曲ですか?
- 御守
最近だと、2月にリリースした『秋刀魚』です。サビの歌詞「百均で変わる暮らしを大事にして」がめっちゃ良くて。
生活の中にあるちょっとした幸せですね。
- 御守
そうそうそう!
御守さんのソロパート「今年も軽く見積もられてる気分 敵陣に切り込むよ秋の刀」も、澄んだ歌声なのに内容は尖っていて、アイドル業界で虎視眈々と上を狙っている感じがしてドキッとさせられます。
- 御守
ありがとうございます。きのホ。は曲もいいし、映像もいいし、ファンクラブも個々でいろいろやっているし、お家にいる人にも楽しんでもらえるコンテンツもいっぱい出しています。でも、やっぱりライブに来てほしいです!

最後に、どんなアイドルになっていきたいですか?
- 御守
お守りみたいな存在になりたい。“困った時の神頼み”じゃないけど、「御守ミコがいるとなんとなく安心する」「御守ミコがいるとなんとなく心強い」、そういう存在でありたいです。
ファンに寄り添ってくれる素敵なアイドル像。インタビュー前まで、言葉を選んでポツポツと話すタイプかと思いきや、冷静なトーンでよく喋る。彼女のnoteを見ても同じ感覚だったけど、言葉のリズムに惹き込まれる。
個人的には、聴覚障害のことを知ってもらうことが、本人やきのホ。のさらなる魅力につながると考えていたけど、本人はそれを出していくべきか悩んでいた。単純にアイドルをひたむきに頑張っているから。その結果、悩むほどもなく成長を遂げるだろうし、徐々に出す必要もなくなるかもしれない。
きのホ。の熱く温かいパフォーマンスやフロアを見ていてもそう思う。

PROFILE
御守ミコ(きのホ。)
みもり・みこ
3月18日生まれ。長野県生まれ、埼玉県育ち。保冷剤ブルー担当。
2021年10月に京都を拠点に活動するアイドルグループ「きのホ。(きのぽ)」のメンバーとしてデビュー。グループ名は、「きのうまではポジティブでした!」の略。京都で共同生活をしながら、全国をハイエース1台で駆け回りライブ活動を行っている。
趣味は、歩くこと。異常歩行。最長は京都〜琵琶湖間を往復10時間。「歩く」をやっているため、何かを考えながら歩いている時もあれば、考えずに歩いている時もある。
note
https://note.com/mico_kinopo
オフィシャルホームページ
https://kinopo.jp/取材・文/赤木一之 撮影/持田 薫