辛いこと以上に、幸せなことがいっぱいあるんです

こうして昨年3月から一年間、AsIsとして活動してきました。アイドルとしての今の人生はどうですか?
- 桃井
本当に楽しいです。私が頑張ることでファンの方も「頑張れる」って言ってくださるのが、みんなの生活の中に私がいる気がして。看護師でやりたかった「人に寄り添う」とは少し違うかもしれないんですけど、私はこれが本当に好きなんだなって思います。
素敵な気づきですね。他人の人生に関わる喜びというか。
- 桃井
ファンの人は絶対的に私の味方だから安心できるし、家族と接する感じで甘やかしてくれるのがありがたいです(笑)。

この一年で、桃井さんの中に変化はありましたか?
- 桃井
「明るくなったね」とはよく言われます。最初はかなり“陰”の空気をまとってたみたいなんですけど、「最近はハッピーオーラが見える」って。自分でも笑顔が増えたな、素で笑えるようになったなと思います。
「素で」というのが大きいですよね。
- 桃井
そうですね。話が戻っちゃうんですけど、チアって笑顔でやらないといけないじゃないですか。だから部活は全力で笑ってたんですけど、それでも先輩から「全然笑ってなくない?」ってめちゃめちゃ言われていて。それから笑顔がわからなくなっちゃってたんですよね。でも、この一年で自然に、ゲラゲラ笑えるようになりました。
ここまでの話でも、だいぶ学生時代と変わって、ポジティブになったんだなというのが伝わってきます。
- 桃井
前向きになりましたね。それこそ、ファンの方から「今日こういうミスしちゃったんだよね」とかよく教えてもらうんですけど、そのたびに「大丈夫だよ」とか「いいことあるよ」って返すんです。そういうやり取りの中で、自分も「悪いことがあっても多分次はいいことが起きる」って思えるようになったというか。

「アイドルになってよかった」と考えることはありますか?
- 桃井
毎日思ってるかもしれないです。たとえば誰かが私のことをXで呟いてくれたり、特典会で褒めてくれたり。もちろん大変なこともあるんですけど、そういう嬉しいことが毎日必ず一個あるのがアイドルだなって。辛いこと以上に、幸せなことがいっぱいあるんです。
最後にお聞きします。桃井さんはアイドル人生を終えるとき、どんな自分になっていたいですか?
- 桃井
……「終わらないことができるなら終わりたくない」が一番の答えなんですけど、でも、自信に満ちあふれて、パフォーマンスでも人の気持ちを動かせられるような自分になっていたいですね。
自分の中でまだ「理想のアイドル」になれていないので、そこまで辿り着けたらまた答えは変わるかもしれないですけど。まずはもっともっと自己肯定感を持てるように過ごしていきたいです。

PROFILE
桃井美月(AsIs)
ももい・みつき
12月12日生まれ、東京都出身。身長162cm。
◯元看護師の経歴を持つ青色担当。 3月28日(金)、東京・白金高輪SELENE b2にてAsIs 1周年公演「1st YEAR ANNIVERSARY LIVE -私たちは『君の好きを否定なんかしない』-」(チケットSOLD OUT)を開催予定。
取材・文/アオキユウ(short cut) 撮影/持田 薫