新居歩美コラム「あゆちのあたまの中」vol.8★愛のガソリン

　こんにちは！　ドラマチックレコードの赤色担当、あゆちこと新居歩美です！

　今回のテーマは「愛情」。職業柄、毎日のように接する感情で、私にとっては手足を動かすためのガソリンにもなるような気持ちです。形を持っていないのに、目に見えないのに、ずっと自分を支えてくれるこの存在を今日は言葉の力を借りて紐解いていき、皆様と共有できたら嬉しいです。

　私にはじめに愛を教えてくれたのは母でした。

　学校にも通えなかった自分を母は決して追い詰めず、見守ってくれました。私らしさを懸命に育ててくれました。

　眠れずどうしようもなく悲しくて泣きそうな夜は、次の日も朝から仕事があるのに一緒に夜道を散歩して私の話に耳を傾けてくれました。私の将来のこともたくさん考えてくれて備えてくれました。私が母の思い描いた将来とは違う道を選んでも受け入れ、背中を押して支え続けてくれました。

　私が大人の年齢になった今も、ずっと気にかけて「私の宝物」と言い抱きしめてくれます。母から私は愛の持つ力を教えてもらいました。かなり愛情深い人間に育つことができたと思います。

　私の過去の話を知ってくださったいる方はわかると思いますが、いじめに不登校に、本当に散々な学生時代でした。でも、母のおかげでグレてしまわず今の夢を持てたと思います。その部分は本当に恵まれていた。当たり前に思っちゃいけないです。感謝しかありません。

　母の中で「私」というものは「守りたい幸せ」なのだと伝わってきました。これが、母が21年かけて教えてくれた愛の方程式です。

　ひとりで東京に出て芸能のお仕事を始めて5年経ち、母に教わった愛の方程式に当てはまる、「母にとっての私」のような存在が私にもできました。それが「ドラマチックレコード」です。不思議なことに、ドラマチックレコードの為ならなんだって頑張れちゃうのです。

　私はお仕事が大好きで、「忙しければ忙しいほどゾクゾクして嬉しい」「オフの日なんていらないから毎日お仕事をくれ！」というかなりワーカホリック気味な性格なのですが、昔はずっと「“新居歩美”が売れたい」と思っていた部分があったと思います。ただただ私が一番人気でいたいから頑張る、みたいな。

　今は「“新居歩美”が売れることでドマレコに貢献できるなら……」。「ドマレコの動員が増えるには、知名度が上がるには、自分は何ができるだろう……？」の気持ちが強いです。

　これはかなり心の成長。心の未熟な部分がたくさん壁にぶつかって考えて、どんどん成熟していく気配がして嬉しい！　こう思っちゃってる時点できっとまだまだ多分子供だけど。

　だからなんだって頑張れるし、前よりも「なんだってやります!!!」の姿勢になってきています。

　ドマレコを愛する要素のひとつとして、自分の作詞した楽曲への愛情もあります。

　『陽炎』も『夜空のよすが』も『メインキャスト』も『500光年の恋』も、ソロになるけど『朱夏は微熱』も、自分の子供のように。その曲が持つ一音一音が愛おしいのです。

　自分の作品に愛を持てるからこそ、作詞やイラストやコラムなど、自分の脳みそを使った仕事が楽しくて楽しくて。どんな歌詞の内容でもそこには愛があって、「だいすき！」だけが愛情表現じゃないわけで、自分の言葉で皆様に届けられる愛のカタチが増えていったら、それはとても幸せなことです。

　ファンの方へは「じゅうぶんに愛を届けられている」という自信より、「愛してもらっているな」という感謝の方が大きいです。口下手でふざけちゃう性格でごめんね。もっと伝えられるように頑張るね。

　誰かを応援するってめちゃくちゃ愛で。推しに自分を重ねててもいい、推しを恋愛対象として好きでもいい。推しのパフォーマンスが好きだから、推しとの会話が楽しいから、推しの顔が好きだから、私もファンの方々からいろいろな理由で愛されているなあと思います。

　ここから本当に伝えたいことなのですが、なにかを愛しているとき、「なにかの為ならこんなことだってできる」と思えたとき、大好きななにかに一生懸命なとき。大好きなそれが自分のガソリンになっていて、あなたの身体は大好きなそれでいっぱいになるんです。

　だから愛は持っていた方が豊かだと思うし、私はそんな愛を向けられるものを増やしていきたいと思う。そして、アイドルをやっているからには、誰かが私への愛で身体がいっぱいになって幸せな瞬間を生み出したい。それが本当にアイドル冥利に尽きることだと思います。

　今、私にとって「家族」が、「ドラマチックレコード」が、「あなた」が。ガソリンになって毎日手足を動かしたいと思えているように、あなたにとって「私」がガソリンになれていたら嬉しいです。

　いろいろ向き合って言葉に起こしてみたら恥ずかしい部分もあったけど、また手足を動かして頑張りたくなりました。読んでくださっているファンの方とは、いつまでも頑張れる理由同士でいられたら幸せです。愛を持って、これからも全力で生きられますように。

【今月のあゆち】

文・イラスト／新居歩美