世界一優しいギャル×◯◯?
成松が2日目にピックアップしたのは、にっぽんワチャチャ・渡辺Lili!
ギャルが体現・表象するもののひとつに「バイタリティ」があると思うんです。そのド派手なルックスや忌憚と屈託のない言動にはある種の生命力を感じるし、それは時にウザがらせたりする一方で、誰かを元気にしていたりもする。
この日の渡辺さんはまさにそんな存在でした。オーディエンスを踊らせ殺すことしか考えてなさそうな、チャラくてアッパー極まりない楽曲群に乗せて、このビジュアルでコロコロと表情を変えながらステージ狭しと踊りまくる姿は、まあギャルそのものでした。
さらにライブ中盤、彼女たちのステージを初めて観るオタクを発見するや、メンバーとともに周囲のオタクを座らせて、彼にケチャを捧げることを要求。ノリのよい面々がなにかを称えるかのように両手を大きく掲げだすと、今度は無数の手の先に所在なげに佇む初見オタクにダンスを強要するという、まあたいがいな“ウザ絡み”でSMILE GARDENに集まった人たちの笑顔と、初見くんの照れ笑い&苦笑いを誘ったあたりもとても”らしかった”。
ただ、渡辺さんを巡る議論を複雑にしているのが、TIFの歌ウマ系企画「うたチャン」で準グランプリに輝いているということ。つまり歌が抜群に上手いんですよね。実際、1990年代後半、パラパラ用の音楽として“日本”でのみ異常進化を遂げた“ユーロ”ビートオマージュの飲み会ソングですら圧倒的な説得力を持って届けることに成功していた。それも飛んだり跳ねたり、変顔したり、オタクに無理強いしたりしながら。そのパフォーマンスレベルの高さは立派なライブアイドルのそれでしかありません。
渡辺さんのXのプロフィールに「世界一優しいギャル」とあるんですけど、たぶんこれは半分だけ正解。
ギャルがアイドルをやっているわけでもなければ、アイドルがギャルキャラを背負っているわけでもない。「世界一優しいギャル×現場にチョー強いアイドル」という未知の生き物。これが渡辺Liliの正体なんじゃないでしょうか?
入ったときから上手かったけど……
PROFILE
ほりゆーこ
アイドルオタク・関係者が集まる新宿歌舞伎町の飲み屋『酔っこら処』『酔ノ月』店長。天空から海底まで幅広い知識を持ち、現場にも足を運びうっかり海外まで遠征しちゃう女オタク。ガラスガールでは連載『ほりゆーこのオタク目線ライブレポ』を担当
ほりが2日目にピックアップしたのは、私立恵比寿中学・桜井えま!
今年はエビ中が“姉”と“妹”に5人ずつ別れて出演! 激アツなセトリを組んで盛り上がるSMILE GARDEN! 今回はその中から桜井えまちゃんを選びました!
えまちゃんの魅力は何と言っても歌声! 入った時から歌が上手かったけど更に実力を上げてきて地上波の番組でも注目されるくらいです!
そしてくしゃっとした笑顔も今日出ていたたくさんのアイドルの中で一番なのではないかなと思っています! 灼熱のSMILE GARDENでキラキラした笑顔を見せてくれて大感謝でした!!
彼女のアイドル性がグループのアイドル性に
PROFILE
田辺洋一郎
アイドルにくわしい漫画家。 週刊プレイボーイで『AKB48 よんぱち+』、アイドルオタクの青春群像劇『あの娘ぼくがヲタ芸決めたらどんな顔するだろう』など。その他にもアイドル漫画を中心に活躍中。
田辺が2日目にピックアップしたのは、C;ON・聖奈!
デカいユーフォニアムを抱えてブンブン振り回しながら踊り、楽器を吹いてない時は煽りを入れまくり、表情もコロコロ変わる。笑ったり、はにかんだり、叫んだり、色っぽく流し目したり。とにかく彼女を見ていて飽きることがない。そこにいるのは、ただの奏者ではなく紛れもないアイドル!
ボーカリスト2人と楽器奏者3人という編成は、ともすれば少し敷居が高く感じられるところを、聖奈ちゃんのアイドル性の高さがグループ自体をぐっとアイドルに寄せている気がします!
そんな彼女の奔放さが詰まったこの一枚、いかがでしょうか!?
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2日目も輝くアイドルが集まった「TIFで発見!“夏のシンデレラ”プロジェクト」。ガラスガール取材班は最終日もTIFの取材を! 明日もこのようにそれぞれの“夏のシンデレラ”候補を紹介いたします。
さて、読者のみなさんが見つけた輝くアイドルは? Xで「#夏のシンデレラ2024」を沿えて、ガラスガール取材班に教えてください。
文/ガラスガール編集部
撮影/武田敏将(塩川莉世、奥田彩友、リンリン、桔梗花香)、関根弘康(江口心々華)、アオキユウ(愛来、増田陽凪)、成松 哲(渡辺Lili)、ほりゆーこ(桜井えま)、田辺洋一郎(聖奈)