INTERVIEW

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齋藤飛鳥・カバーガールインタビュー「私がやっていたアイドルも間違いじゃないし、アイがやっていたアイドルも間違いじゃない。アイドルってそういうものだと思います」

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アイに共感はしたくないって思いました

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たしかに、【推しの子】という作品は、漫画もアニメも大大大ヒットで、愛しているファンの方がいっぱいいますもんね。そんな中で「伝説のアイドル・アイ」を演じるというプレッシャーも凄かったと思います。で、一度断って、そこからどうなっていったんですか?

  • 飛鳥

    いろいろな話し合いもありました。プレッシャーという言葉が合ってるのかはわからないんですけど、それは怖かったし。「アイドルを卒業して、もう一度またアイドルをやるって、ファンの方はどう思うのかな?」とか、「もう25歳にもなって、こんなに大変な荒波に自分から入るってどうなんだろう?」とも思いましたし。やっぱり「私がやる役ではないかな」って感じてたんです。

その気持ちに変化を与えたのはなんだったんですか?

  • 飛鳥

    いろんな要素があるんですけど、「なんで私にオファーしてくださったのか」という話を聞いたときに、「アイは凄いアイドルだけど、単純な“陽キャ”ではない。“陰”の部分にフォーカスを当てたい」とおっしゃっていて。「だから、しっかり“陰の空気”を持っている人に演じてもらいたい」って。

たしかに、天才的で一番星のようにキラキラ輝いていたアイは、心には「嘘と闇」を持っていて、それを隠しながら「本当の愛」に手を伸ばし続けていました。そんな二面性を演じるという意味では、飛鳥さんとアイは親和性が高い気がします。飛鳥さん、なんというか、その、暗い部分があるというか。

  • 飛鳥

    ですね(笑)。そこも納得した部分でしたね。私も、それなりにきっと結果を出したアイドルだったし(笑)、陰の部分も自分と共通しているし。だから、「たしかに共通点はいくつかあるな」って。でも、やっぱりアイが特別な見られ方をしすぎているから、あまり共感はしたくないなって思いました。

共感はしたくない。

  • 飛鳥

    したくないというか、あんまり共感しながら演じるのって、逆に嘘くさくなりそうだなって思ったんです。だから、あまり深く考えないようにしようって思いました。元アイドルっていう部分は、見てくださる方たちが感じ取ってくれると思ったので、それ以上「共感してます!」みたいなところは出さない方がいいなって。

なるほど。今、振り返って「ここはしんどかったな」っていうシーンってありました?

  • 飛鳥

    しんどいのは全部でしたね(笑)。なんか、子供たちと一緒にいるシーンとか、おだやかな時間を演じていても、うん。アイって、やっぱり純粋に家庭を持って幸せを感じていた人じゃないなって。100%、楽しんでいるわけじゃない、みたいな気がしていて。

生活しながら、少しずつ苦しむ。そんな状態で生きていたんだとすると、結構悲しいですね。

  • 飛鳥

    悲しい人だなと思いました。そう言っちゃっていいのかはわからないけど。……でも、本当のところは、アイってどんな人だったんだろう。演じてもわからないな。そのシーンそのシーンを演じることはできるけど、それはアイが演じながら生きているのと一緒で、「こういうときは、こういう感情を人に見せてればいいんだな」っていう気持ちで演じられるけど。じゃあ本当のところ何を考えて、そういうセリフになったのかとかは。……考えてもわかんなかったですね。

なるほど。齋藤飛鳥にとって、アイは「推せるアイドル」ですか?

  • 飛鳥

    ……うーん。はい。アイドルとしてなら。

アイドルとしてなら。

  • 飛鳥

    アイドルって、そういう意味だと思うんです。「ああいうアイドルがいてもいいんだろうな」と思います。語弊があると良くないんですけど、「アイドルを一番わかりやすくしたら、アイになるんじゃないかな」とも思うんです。

    タレントとか女優とかと違うのは、アイドルってすごく幅広いし、生き方とか生き様とかも、そこに乗っけられる特殊な職業だと思うから。私がやっていたアイドルも間違いじゃないし、アイがやっていたアイドルも間違いじゃないし。乃木坂の誰も間違いじゃない。アイドルってそういうもんだよなって。

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